最終年度の研究実績は、以下の3点にまとめられる。 第一に、「企業の学習型観光プログラム調査」である。前年度に引き続き、企業における学習型観光の取り組みを調査し、その中から優れたいくつかの事例を抽出し、学習型観光プログラムにおける学びの枠組みや教育効果、課題などを検討し、現状の評価と今後の展望を探った。 第二に、「学習型観光に関する地域への実態調査(調査票調査)」である。研究開始時には、初年度に実施予定であったが、その後の研究結果を踏まえると、各都道府県の観光主所管課(観光行政を管轄する部署)に対しては、その後の研究結果を踏まえてから、具体的な研究の観点に基づき、学習型観光の実態について、効果的な調査票調査を実施するべきだと考え、最終年度に実施した。その結果、各地域で行われている観光体験を素材とした学習型観光プログラムについて、実施する学校側だけでなく、観光推進に力を注ぐ観光行政や関連企業側の視点から、その実態を把握することが出来た。回収できた調査票やこれまでの研究結果をもとに、整理・分析を行った。 第三に、「研究のまとめ」である。3年間の研究成果を踏まえて、まとめを行い、報告書の作成を行った。具体的には、平成23~25年度に実施した調査結果及び、本研究につながった平成18~20年度科研費「高等学校の総合的な学習の時間における観光教育のカリキュラム研究」をもとに、教育観光のフレームワークを構築し、その問題点と改善点を提示した。なおこれらの一連の研究結果については、今年度2度の学会発表及び学術研究論文の執筆を行い、最終的には研究報告としてこれまでの3年間のまとめを冊子として発行し、各自治体や企業、学校など関係する機関、人々へのフィードバックを行った。
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