研究課題
大気中に浮遊する100マイクロメートル以下の微小な液滴,または固体粒子は総じてエアロゾルと呼ばれる。環境中において微小水滴が高濃度で集合したものが霧や雲と呼ばれているが,それぞれの液滴粒子は微小であるものの,汚染物質が高濃度に濃縮されることが懸念されており,その環境影響・生態影響が近年問題視されている。一方で、大気中において観測される固体粒子はPM(Particulate Matter)とも総称されている。これら粒子は工場や自動車から排出される黒煙,重金属はもとより,元来環境中にも存在する海塩や土壌により構成される。前者はその環境影響が既に社会問題となっているが,後者もまた天候に応じては農作物の収穫量,植物の生育状態にも影響を及ぼす。これらのことを要因として,エアロゾルを観測する手法はレーダーを始めとした多様なものが開発されている。またその元素成分解析を目的として,大気中より捕集するサンプラーも用途に応じて複数の種類のものが開発されている。ところがこれらの手法ではエアロゾルの最終的な平均情報しか得られず,観測結果の解析にあたっては,気象情報等を基に他の情報を補間する必要が生じる。したがって得られた解析結果は推察の範囲に過ぎなくなってしまう恐れがある。つまり,大気中のエアロゾルを単一のレベルで観測し,その汚染プロセスを高精度でモニタ可能な手法の開発が急務であるといえる。本研究では1)テラヘルツ顕微分光測定系の構築,2)観測領域へのエアロゾルの捕捉,3)単一エアロゾルへの物質移動過程の観測,等の項目を中心に、装置及び観測、解析手法の開発を行った。
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