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2012 年度 実施状況報告書

1次リンパ組織の微小環境特異的エピジェネティック制御の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23616003
研究機関広島大学

研究代表者

菅野 雅元  広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 教授 (40161393)

キーワード胸腺 / エピジェネティックス / ポリコーム / noncoding RNA / 蛋白質複合体 / T細胞分化
研究概要

研究計画の項目は、
(1)ポリコーム蛋白質複合体の精製、
(2)PcG遺伝子群の組織特異的KO(conditional Knock-Out)マウスの作成、
(3)non-codingRNAの検索、
この中で(2)(3)は順調に研究計画が推移している。しかし(1)に関しては、当初考えていたよりもポリコーム蛋白質複合体が、よりheterogeneityに飛んでいる事が分かって来た。当初は、PRC1のアイソフォームとしてPRC1mel, PRC1bmiの単離精製を目標として研究を行っていた。しかし、その後の検討により、mel-18,やbmi-1等が属するPCGFファミリー(PCGF1からPCGF6: mel-18=PCGF2, bmi1=PCGF4)がそれぞれ異なるPRC1蛋白質複合体を構築する事、さらにPCGF2とPCGF4が共通のコアユニット(CBXs,PHCs, SCMs)を共有し、PCGF3とPCGF5が共通のコアユニット(AUTS2, FBRS, FBRSL1, CKIIs)を共有する事、PCGF1、およびPCGF6は、また全く異なるコアユニットと複合体を構築する事、などが分かって来た。さらにmel-18(PCGF2)を含む複合体PRC1においても、CBXsを含む複合体と、その代わりにRYBPを含む複合体との間に動的平行関係が存在する事が判明して来た。この様な、当初予想していた異常に複雑な蛋白質複合体のheterogeneityが明らかとなった。この様な状況下で、リンパ球分化段階ごとに、どの複合体がドミナントであるかを同定しようとしている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記の様に(2)(3)はほぼ予定どおりに目標を達成できているが、(1)の状況が複雑になった。現在、リンパ球の各分化段階ごとに、PRC1複合体のどのフォームがドミナントであるかを同定しようとしている。さらにその機能解析法として、PcGの発現ベクター(またはshRNA発現ベクター:レトロウイルス、またはレンチウイルス)を用いて、FTOCではなくRTOCを用いて細胞分化解析、single cell程度のごく少数の細胞による蛋白質解析技術の導入・共同研究を検討している。

今後の研究の推進方策

研究項目(1)の最大の技術的ネックは、「いかに少ない細胞数から蛋白質複合体のサブユニット組成のプロテオーム解析が出来るか?」である。プロテオーム研究会のメンバーに助言、共同研究をお願いしてこの壁を突破したい。上記のような胸腺培養法などの新しい技術導入のため、2012年に研究室の助教を、G.Anderson教授(Birmingham大学、英国)、G.Hollander教授(Basel, スイス/Oxford大 英国)に短期留学させた結果、胸腺に関する新しい技術を導入できたので、研究課題(2)(3)は現状のまま続行する予定。

次年度の研究費の使用計画

H24年度の未使用額が少し発生しているが、H25年度分とあわせ、最終年度であるので、ほとんど消耗品、および論文投稿関係費用に当てる予定である。消耗品は、大部分が、蛋白質複合体解析のための抗体等の費用になると思われる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Ink4a and Arf are crucial factors in the determination of the cell of origin and the therapeutic sensitivity of Myc-induced mouse lymphoid tumor2012

    • 著者名/発表者名
      Sugihara E, Shimizu T, Kojima K, Onishi N, Kai K, Ishizawa J, Nagata K, Hashimoto N, Honda H,Kanno M , Miwa M, Okada S, Andreeff M, Saya H
    • 雑誌名

      Oncogene

      巻: 7;31(23) ページ: 2849-2861

    • DOI

      10.1038/onc.2011.462

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A methyl-deficient diet modifies early B cell development2012

    • 著者名/発表者名
      Kurogi T, Inoue H, Guo Y, Nobukiyo A, Nohara K, Kanno M
    • 雑誌名

      Pathobiology

      巻: 79 ページ: 209-218

    • DOI

      10.1159/000337290

    • 査読あり
  • [学会発表] Arfとp53に依存的なヒストンH2AXの低下と静止状態2012

    • 著者名/発表者名
      大澤 智之,熱海 悠子,杉原 英志,佐谷 秀行,菅野 雅元,田代 文夫,益谷 美都子,吉岡 研一
    • 学会等名
      第35回日本分子生物学会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      20121211-20121214
  • [学会発表] 抗癌剤存在下での優先的な癌細胞死と正常細胞の生存に資するArf/p53依存的H2AX制御機構2012

    • 著者名/発表者名
      熱海 悠子,稲瀬 安希,杉原 英志,佐谷 秀行,菅野 雅元,益谷 美都子,吉岡 研一
    • 学会等名
      第35回日本分子生物学会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      20121211-20121214
  • [学会発表] UVに応答した核内のIKKbetaを介したNF-kappaB活性化と細胞死2012

    • 著者名/発表者名
      土谷 佳弘,金本 麻裕,浅野 知一郎,菅野 雅元,鎌田 英明
    • 学会等名
      第35回日本分子生物学会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      20121211-20121214

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公開日: 2014-07-24  

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