研究概要 |
大腸癌における HOPX の治療標的の可能性につき検討をすすめている。HOPX 遺伝子発現株を DLD1, HCT116を用いて作成し下流の変化を検索した。Affymetrix microarray を用いて下流遺伝子を検索し、RT-PCR で検討した結果、最も大きく変化する遺伝子として EphA2, Cyr61が同定された。大腸癌では HOPX のメチル化は未分化型とよく相関し未分化型大腸癌の特徴といえると考えられたため、EphA2に特に注目した。というのも EphA2は大腸癌にとどまらずほかの癌でも未分化型癌の特徴とされているとする報告が多いからであった。われわれの検討の結果、未分化大腸癌では EphA2 の発現が高い傾向にありしかも HOPX メチル化と発現低下と一致していた。現在この検証作業を継続中である。大腸癌で治療法に難渋する高悪性度の未分化癌に対して EphA2 抑制による癌抑制が有望な標的になる可能性があると期待している。
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