研究課題/領域番号 |
23616006
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
尾畑 やよい 東京農業大学, 応用生物科学部, 准教授 (70312907)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 生殖細胞 / ゲノム刷込み |
研究概要 |
Kdm1b mRNAには6種類のバリアントが報告されている。そこで、まず、卵子で発現しているmRNAを突き止めた。次に、このmRNAから、cDNAを合成しクローニングを行った。Kdm1bコンディショナル発現ベクターを以下のように(CMV IE enhancer - CAG promoter - loxP - EGFP - polyA - loxP - mCherry - 2A - Kdm1b - polyA)デザインし、作製した。この発現ベクターをCreリコンビナーゼで処理後、NIH 3T3細胞に導入したところ、mCherry陽性細胞の存在が確認できた。さらに、mCherry陽性細胞においてヒストンH3K4-ジメチル抗体で免疫染色を行ったところ、ジメチル修飾の減少が確認された。そこで、このベクターをマウス受精卵に導入し、TGマウスを作製した。ファウンダーマウスを11ライン得た。次年度以降に、TGマウスの解析を行っていく。 一方、Kdm1bの抗体を作製するために、触媒ドメインをエピトープとしてモノクローナル抗体の作製を試みた。マウスに抗原を接種させ、回収した血清を用いて抗原-抗体反応を確認した結果、陽性であった。しかし、Kdm1b発現ベクターを導入したNIH 3T3細胞を用いて、Western Blottingを行ったところ、バンドが得られなかった。次年度以降に、Kdm1b全長を抗原として、抗体を作製する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
TGマウス(ファウンダー)が11ライン得られたことは、当初の研究計画を上回り順調と判断できる。しかし、Kdm1bの抗体については、今年度、ワークするものを作製することはできなかった。本来、いくつものエピトープを合成し動物に免疫させる方が、最適な抗体を得やすいが、これには、膨大な経費がかかる。予算の都合上1つづずつ免疫し、抗体作製を試みているため、やむを得ない結果といえる。次年度はKdm1b全長を抗原として免疫を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究結果を確かなものとするためにもKdm1bの抗体は不可欠といえる。引き続き、抗体作製と抗体の評価を行っていく。抗原となるKdm1b全長のリコンビナントタンパク質の合成および、動物への免疫、モノクローナル抗体の作製は外注で行い、抗体の評価については、申請者が行う。TGマウスについては、ファウンダーマウスを交配させ、次々世代を作出・増産した上で、解析する。解析はKdm1b抗体作製の成否にかかわらず、TG由来mRNAの発現解析、インプリント遺伝子のDNAメチル化型解析を実施する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
消耗品費の内訳としては、遺伝子発現解析に必要な試薬と物品、タンパク質発現解析に必要な試薬と物品、マウスとマウス飼育に必要な物品が主である。研究成果を発表するための国内旅費についても計上する。その他の項目として、抗体作製および塩基配列解析の外注にかかる経費を主として計上する。
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