研究課題/領域番号 |
23617001
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
亀山 武志 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 博士研究員 (40569505)
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研究分担者 |
早川 清雄 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (00368292)
足立 義博クリストファー 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 博士研究員 (10616204)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 免疫学 / 栄養学 / 自然免疫賦活化 / 核酸 / 食品 / 口腔粘膜 |
研究概要 |
食品由来の核酸の役割については,栄養学の領域においても充分に明らかにされていない.一方で口腔内における自然免疫システムは,生体防御という観点から重要な機能を担っている事が示唆されているが,その詳細については未だ不明である.そこで本研究では,口腔内で食餌性核酸に着目し,(1)食餌性核酸による自然免疫応答の賦活化メカニズムについて,(2)口腔粘膜を介した自然免疫賦活化メカニズムの解明を目的として遂行している.まずはじめに,6種類の野菜やキノコからDNAを抽出するために,cetyl trimethyl ammonium bromide: CTABを用いてそれぞれの食餌性核酸を抽出した.それぞれのDNAは,吸光度の測定およびアガロースゲル電気泳動法にて濃度ならびに品質の評価を行い,DNAが抽出されていることを確認した.次にこれらのDNAを用いてマウスマクロファージ由来のRaw264.7細胞を刺激した.刺激は,培養上清中に核酸を添加することで行い,刺激後3,6,9時間後に細胞を回収し,ISOGENEを用いてRNAを回収した.その後定量的RT-PCR法によりIfnbおよびIl6のmRNAを定量した.その結果,食餌性核酸で刺激後3-6時間に,これらの遺伝子が発現誘導されることが明らかになった.この遺伝子発現誘導がDNA依存的であることを確認するために,これらの食餌性核酸をDNase処理し,そのDNase処理した食餌性核酸を用いて同様の実験を行ったところ,IfnbおよびIl6の遺伝子発現誘導が認められなかったことから,これらの遺伝子発現はDNA依存的であることが明らかになった.今後,野菜や肉類などの食餌性核酸の栄養免疫学的 (nutritional immunological) な役割について追求する事で新しい研究領域を開拓したいと考えている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
食餌性核酸で自然免疫応答が活性化することを見出し,その応答性は核酸依存的であることを見出したという点でおおむね順調に進展しているといえるが,その自然免疫活性化のメカニズムの解析や食餌性核酸の性質についての解析はpreliminaryな結果であり,さらなる検討の余地があるという点で,研究計画よりやや遅れている.この理由としては食餌性核酸の精製法を複数実施しより精度の高い精製法を模索したこと,また細胞によって自然免疫応答が異なることから,どのような細胞を選択するのがよいかという探索を行ったことが,後半のメカニズムや性状の解析が十分に実施出来なかった原因と考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究計画としては,前年度解析が不十分となっている,食餌性核酸による自然免疫応答の詳細なメカニズムについて解析することを予定している.つまり食餌性核酸の長さを超音波処理で変えることで,DNAの長さと自然免疫応答の関連性について,あるいは,siRNAやノックアウトマウスを用いて,どのようなシグナル伝達経路により自然免疫応答が活性化されるかについて解析を進める.また現在in vivoイメージングを行う系を確立しているところであり,本実験系が確立出来次第,in vivoにおける解析を計画通り行っていく予定である.
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