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2012 年度 実施状況報告書

核酸による新しい口腔内免疫賦活化の原理の確立とその応用を目指す基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 23617001
研究機関北海道大学

研究代表者

亀山 武志  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 博士研究員 (40569505)

研究分担者 早川 清雄  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教 (00368292)
足立 義博クリストファー  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 非常勤研究員 (10616204)
キーワード免疫学 / 栄養学 / 自然免疫賦活化 / 核酸 / 食品 / 口腔粘膜
研究概要

食品由来の核酸の役割については栄養学の領域においても充分に明らかにされていない.一方で口腔内における自然免疫システムは,生体防御という観点から重要な機能を担っている事が示唆されているが,その詳細については未だ不明である.そこで本研究では,口腔内で食餌性核酸に着目し,1) 食餌性核酸による自然免疫応答の賦活化メカニズムについて,2) 口腔粘膜を介した自然免疫賦活化メカニズムの解明を目的として遂行している.昨年度我々は,食品由来のDNAが自然免疫応答を活性化したことを見出した.食餌性DNAをマウスマクロファージ由来のRaw264.7細胞に刺激したところ,刺激後3-6時間に定量的RT-PCR法によりIfnbおよびIl6のmRNAの発現誘導が認められたことから本年度はこのDNAの性状とそのシグナル伝達経路に関する解析を行った.
はじめに食餌性DNAによるIfnbの誘導がタンパク質レベルでも認められるのかについて検討したところ,タンパク質レベルにおいても活性化していることが示された.次に食餌性DNAの長さによる自然免疫応答性の変化を検討するため,超音波処理し500-1500bp程度に断片化し,断片化DNAを用いてRaw264.7細胞に刺激した.その結果,食餌性DNAの種類によってIfnbの発現誘導性が異なる事を見出した.さらに食餌性核酸による自然免疫応答がどの受容体を介しているのかを検討するためにTLR9ノックアウトマウス由来脾臓細胞を用いた解析を行った.TLR9ノックアウトマウス由来脾臓細胞においては食餌性核酸で刺激してもIfnbの誘導が認められなかったことから,TLR9を介して認識される事が明らかになった.
今後野菜や肉類などの食餌性核酸の栄養免疫学的 (nutritional immunological) な役割について追求する事で新しい研究領域を開拓したいと考えている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度の研究計画としては,前年度解析が不十分となっていた食餌性核酸による自然免疫応答の詳細なメカニズムについて解析することを予定しており,これらについては,若干不十分な点があるものの概ね解析を行う事が出来たため,in vitroの解析に関しては順調に進展したといえる.一方でin vivoにおける実験は,本年度実験系の手技等の確立を行ったものの,これを用いた解析を実施することが出来なかったという点でやや遅れている.これに関しては,in vitroの実験系に多くの時間を割いたこと,in vivoの実験系の確立に時間がかかったことが大きな理由であると考えられる.

今後の研究の推進方策

本年度の研究計画としては,前年度解析が不十分であった点を明らかにしつつ、in vivoの解析を行っていきたいと考えている.つまり,食餌性DNAの長さとその自然免疫応答について,食品の種類によって断片化による自然免疫応答性が異なる理由について明らかにしていきたい.またin vivoにおいても食餌性DNAが自然免疫系を活性化させるのかについて,IFN-beta遺伝子にLuciferase遺伝子がノックインされているdeltabeta-Lucマウスを用いたin vivoイメージングをすることで,経時的な解析を行う予定である.

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 野菜由来のDNAによる自然免疫応答の活性化2012

    • 著者名/発表者名
      早川 清雄
    • 学会等名
      北海道大学IGM研究交流会
    • 発表場所
      札幌 (北海道大学内)
    • 年月日
      20120917-20120917

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公開日: 2014-07-24  

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