研究課題/領域番号 |
23617011
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
倭 英司 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20273667)
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キーワード | 膵ベータ細胞 |
研究概要 |
平成24年度はFoxo1 KO MIN6細胞の解析を中心に行った。Foxo1 flox/flox マウスと膵ベータ細胞特異的にSV40T抗原を発現するIT6トランスジェニックマウスとの交配により、Foxo1 flox/flox 膵ベータ細胞株を得た。この細胞にCre発現アデノウイルスベクターを感染させることにより、Foxo1 KO MIN6細胞を得た。 Foxo1 KO MIN6細胞細胞は高グルコース負荷時におけるインスリン分泌反応が亢進しており、細胞増殖が強く、また、アポトーシスを起こしている細胞数が有意に多かった。 Foxo1は転写因子であることから、そのtarget遺伝子がこれらの表現型を制御している可能性がある。そこで、Foxo1が制御する遺伝子群を網羅的に解析するため、Foxo1 KO MIN6細胞に対して、AdVベクターにてconstitutive activeのFoxo1遺伝子を導入したものとEGFP遺伝子を導入したものの間で、遺伝子発現パターンを比較検討した。その結果、種々の遺伝子が単離され、このことをGenes Cells 17: 758-67, 2012で報告した。 in vivoのFoxo1 KOマウスの解析については、このマウスの遺伝的背景を均一にするべくC57BL/6マウスに戻し交配を行っているが、Foxo1 flox/floxマウスは産児数が少なく、まだ十分なマウスの数を得られず、本年度は解析を行えなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Foxo1 KO MIN6細胞の解析を行い、論文発表を行うことができたので、研究の進行はおおむね良好であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後はFoxo1 KO MIN6細胞の解析で得られたFoxo1 target遺伝子とFoxo1 KO MIN6細胞の表現型について検討してゆく。また、Foxo1 KO マウスの解析をC57BL/6にN7-N8ぐらいまで十分に戻し交配を行ってから解析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度も遺伝子の解析を行うため、遺伝子解析用の試薬の購入や培養細胞維持のための牛胎児血清などの購入する必要がある。また、細胞保管用の冷凍庫を購入する必要もある。
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