研究課題/領域番号 |
23617014
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
海野 けい子 静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (10106437)
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研究分担者 |
杉浦 実 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, その他部局等, 主任研究員 (10355406)
小西 智一 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (00281650)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 脳 / 老化 / 酸化ストレス / 社会心理的ストレス |
研究概要 |
わが国は近年高齢者が急速に増加しているが、高齢者の心身の健康維持、特に「脳の老化予防」に関する学術的エビデンスに基づいた情報発信は十分とは言えない。われわれは「脳の老化とその予防」に焦点を当て、脳機能低下抑制作用を有する食品成分を中心とした有効成分を探索し、それら作用機序を分子レベルで解明することにより、脳の老化予防を通してわが国の長寿社会の発展に貢献したいと考えている。老化の一因として酸化ストレスの重要性が指摘されており、また社会心理的ストレスの蓄積は老化を促進すると考えられていることから、本研究では「酸化ストレス」および「社会心理的ストレス」に焦点を当て、下記に示す3つの研究項目を柱として研究を進め「脳の老化予防」に有効な食品および成分を明らかにすることを目的として、研究を進めている。 1. 抗酸化物質摂取による脳機能低下抑制作用の解明 2. 社会心理的ストレス負荷による脳の老化促進作用の解明 3. 抗ストレス作用物質の探索と脳機能低下抑制作用の検討「脳の老化」には多くの要因が関与しているが本研究では、酸化ストレスを軽減するため、強い抗酸化作用を有する緑茶カテキン、および温州ミカンに豊富に含まれる抗酸化物質のβ-クリプトキサンチン等に着目し、その摂取の効果を検討している。また社会心理的ストレスが脳機能に及ぼす影響を明らかにするとともに、抗ストレス効果を有することを見いだしているテアニン(緑茶中のアミノ酸)等の摂取による脳老化に対する効果を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度は下記の研究を計画し、おおむね順調に進展し、成果を得ることができた。1.抗酸化物質摂取による脳機能低下抑制作用の解明:(1)緑茶カテキン:摂取期間の検討、カテキン中の有効成分の検討、シナプス可塑性に対する効果、および正常老化を示す系統のマウスに対する効果の検討を行い、良い成果を得ることができた。(2)β-クリプトキサンチン:寿命延長効果、脳内での分布について検討を行い、良い成果を得ることができた。2.社会心理的ストレス負荷による脳の老化促進作用の解明:(1)ストレス負荷マウスに対する抗不安薬の効果検討を行い.良い成果を得ることができた。(2)ストレスによる血清中コルチコステロンレベルの変動の検討を行い,良い成果を得ることができた。3. 抗ストレス作用物質の探索と脳機能低下抑制作用の検討:(1)テアニンの抗ストレス作用の機構を解明するため、DNAマイクロアレイによる測定を行った。(2)βークリプトキサンチンの抗ストレス作用を検討するため、DNAマイクロアレイによる測定を行った。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に得られた研究成果をふまえ、平成24年度に下記を行う。1.抗酸化物質摂取による脳機能低下抑制作用の解明:(1)緑茶カテキン:PCRアレイ解析、アルツハイマー病モデルに対する作用を検討する。(2)β-クリプトキサンチン:脳内での分布と機能、アルツハイマー病モデルに対する作用を検討する。2. 社会心理的ストレス負荷による脳の老化促進作用の解明:神経新生に対するストレスの影響を検討する。3. 抗ストレス作用物質の探索と脳機能低下抑制作用の検討:23年度に得られた成果をふまえ、テアニンおよびβ-クリプトキサンチンについてその作用機序を解明するためPCRアレイ解析を行う。またストレス負荷による影響として、脳内セロトニン合成に着目し、原料となるトリプトファン摂取の影響について検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の予算としては、150万円を予定している。その内訳は、実験動物や試薬類等の購入として消耗品費105万円、学会参加費等の旅費20万円、論文校正などの費用としての謝金10万円、投稿料などのその他の経費として15万円を予定している。また、研究分担者の小西(秋田県立大学)の23年度分の分担経費の一部が繰り越されている。これは一部研究の進展が予定より遅くなってしまったことによるが、24年度に使用する予定である。
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