研究課題
本研究は「脳の老化予防」に焦点を当て、加齢に伴う脳機能低下を抑制することができる食品成分および有効成分を探索し、それらの作用機構を解明することを目的としている。これまでに下記に示す3つの研究項目を柱として研究を進めてきた。1.抗酸化物質摂取による脳機能低下抑制作用の解明 2. 社会心理的ストレス負荷による脳の老化促進作用の解明 3. 抗ストレス作用物質の探索と脳機能低下抑制作用の検討その結果本年度、抗酸化物質として緑茶カテキンに着目して進めた研究では、通常のマウスより寿命が短い老化促進モデルマウス(SAMP10)を用いて比較した結果、緑茶カテキンを摂取した場合に有意に寿命が延長することが明らかとなった。マウスで寿命延長効果が認められた緑茶カテキンの摂取量は、ヒトの場合に想定すると煎茶として7-8杯程度であると考えられることから、ヒトにおいても緑茶の摂取が寿命延長効果をもたらしている可能性が示唆された。ストレスに関する研究では、テアニンの抗ストレス作用について学生ボランティアに協力してもらい、ヒトでの抗ストレス作用を確認した。薬学部5年生の学生が学外で行う病院および薬局実習において,ストレスの程度を唾液アミラーゼ活性を指標として評価した結果、プラセボ群の学生では学外実習時にストレスを強く感じていたが、テアニン摂取群の学生は有意にストレスが軽減していることが明らかとなった。ヒトにおいてもテアニン摂取が十分にストレス軽減効果を示すことが明らかとなり、ヒトへの適用においてテアニン摂取の有効性を示すことができた。
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Pharmacol Biochem Behav.
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doi: 10.1016/j.pbb.2013.09.004.
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