研究課題
本研究は、抗老化や免疫栄養(Immunonutrition)に有効な機能性食品因子をin vivo試験でスクリーニングするためのモデルとして線虫の可能性を検討し、栄養学、農学および薬学研究者の知識統合により、新たな機能成分の探索とその作用機構を解明することを目的とする。25年度は、これまでに長寿効果を発見し確認できた食品因子のうち、セサミンとアスタキサンチンの作用機構を探った。セサミンは、寿命延長のみならず過酸化水素やパラコートなどの酸化剤あるいはレジオネラ感染などに対する抵抗性も付与した。DNAマイクロアレイとRT-PCRなどの分子生物学的解析により探ったところ、p38MAPK経路とインスリン/IGF経路を介してそれぞれの転写因子SKN-1とDAF-16を動員し、生体防御機構を賦活することで長寿をもたらす可能性が示された。アスタキサンチンも寿命延長以外にレジオネラ感染と熱ストレスに対する耐性を高める効果を示したが、その効果がdaf-16変異体では見られなくなったのに対しskn-1変異の影響は受けなかった。アスタキサンチンはセサミンと異なりもっぱらインスリン/IGF経路を介して作用していると推察される。両化合物ともに、カルボニルタンパクやリポフスチンなどの酸化ストレス指標では対照群との間に差が認められなかったことから、これらは単純に抗酸化物質として作用して長寿をもたらすのではないようだ。
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