研究概要 |
平成23年度は、東京都心部の85歳以上超高齢者コホート542名のうち、平成20年度にリクルートした179名を対象に電話による予後調査と、来院または往診による第二次健康調査を行った。調査内容は、内科診察、病歴、血圧測定、血液検査、尿検査、認知機能検査、歯科診察、身体計測、運動機能検査(握力、Timed Up and Go、開眼片足バランス試験、反復起立試験)、肺機能検査、頚動脈エコー、骨密度(超音波法)、生活習慣調査(ADL、身体活動、趣味など)、食習慣調査(簡易型自記式食事歴法質問票:BDHQ)である。今年度対象者179名のうち36名の死亡を確認した(死亡率20.1%)。第二次健康調査への参加率は59.8%であった(来院68名、往診39名)。また、平成20~21年度に行った第一次健康調査で収集した基礎データを用いて、BDHQから算出した魚由来のn-3 系多価不飽和脂肪酸(n-3PUFA)摂取量とTimed Up and Go(TUG)の関連を検討した。TUGの最低四分位を従属変数、魚由来n-3PUFA摂取量、年齢、教育歴、喫煙歴、飲酒歴、BMI、ADL障害、認知機能障害、病歴(脳卒中、心疾患、関節痛)、血清アルブミン、炎症マーカー(CRP、IL6、TNFα)を独立変数として、男女別に多変量ロジスティック解析を行った結果、男性において魚由来n-3PUFA摂取量、年齢、血清アルブミンが有意な寄与因子として抽出された(魚由来n-3PUFA:OR=0.55, 95%CI=0.33-0.91,年齢:OR=1.35, 95%CI=1.05-1.75,アルブミン:OR=0.51, 95%CI=0.31-0.82)。女性では、ADL障害と血清アルブミンが抽出された(ADL障害:OR=3.17, 95%CI=1.40-7.16,アルブミン:OR=0.57, 95%CI=0.36-0.90)。
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次年度の研究費の使用計画 |
(1)第二次健康調査にかかる費用:調査協力者謝金(@1,500円×300名=450,000円)、調査補助員謝金(@10,000円×延べ40名=400,000円)、食事歴法質問票(契約料含む)(100,000円)、一般血液検査委託費(@1,000円×300名=300,000円)、特殊血液検査委託費(@10,000円×100名=1,000,000円)(2)食事調査(秤量法)にかかる費用:調査協力者謝金(@3,000円×100名=300,000円)、調査補助員謝金(@8,000円×延べ10名=80,000円)合計:2,630,000円
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