研究課題/領域番号 |
23617027
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
飯塚 英昭 東邦大学, 薬学部, 助教 (10057771)
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研究分担者 |
福島 健 東邦大学, 薬学部, 教授 (00272485)
一場 秀章 東邦大学, 薬学部, 講師 (80120236)
定本 清美 東邦大学, 薬学部, 教授 (00297673)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | トリプトファン / トリプトファン代謝物 / 統合失調症 / 蛍光誘導体化法 / HPLC / LC-MS |
研究概要 |
私たちのグループは、蛍光試薬DBD-PyNCSを使用するD-トリプトファン、D-キヌレニン、L-トリプトファン、L-キヌレニンの光学異性体のHPLCによる高感度同時定量法を既に確立している。この方法および新たに開発したHPLC-質量分析法を活用して病態モデル動物における生体中トリプトファン代謝物の変動を解析する。次いで、ヒト患者血清中トリプトファン代謝物と病態との関連性を調べ、病態マーカーとしての可能性を探る。1.DBD-PyNCSを使用するHPLC質量分析法(LC-MS)。DBD-PyNCSによる蛍光誘導体をTOF-MS(JMS-T100LP)を用いる方法を開発し、以下のことを行った。1)統合失調症モデル動物のケタミン処置ラット血清中のトリプトファンおよびトリプトファン代謝物の解析。ケタミンの投与量を変化させて血清中トリプトファン量をコントロールと比較したが有意差がなかった。他のトリプトファン代謝物を測定しトリプトファンおよびケタミンとの関連性を検討中である。2)統合失調症患者血清中のトリプトファンおよびトリプトファン代謝物の解析。共同実験医療施設より得られた統合失調症患者血清(21人)、健常人ボランティア(13人)の血清が得られた。24年度中に少なくとも30例以上になるようにそれぞれの血清を採取し、測定して結果を解析する。 2.DBD-PyNCSを使用するHPLC法。 1)統合失調症モデル動物のフェンサイクリジン処置マウス血清および脳内各部位中のトリプトファンおよびトリプトファン代謝物の解析。血清については、コントロールとフェンサイクリジン処置マウスで有意差がなかった。脳内トリプトファン濃度で有意差が得られた部位があり、詳細を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、病態モデル動物の脳各部位中のトリプトファン濃度について興味ある結果が得られており、詳細を検討中である。統合失調症患者血清の収集等については、順調である。
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今後の研究の推進方策 |
病態モデル動物脳内各部位中のトリプトファンおよびトリプトファン代謝物の解析を引き続き行う。統合失調症患者血清については、医療機関において収集を行い、トリプトファンおよびトリプトファン代謝物の測定を開始する。
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次年度の研究費の使用計画 |
23年度の研究においてLC-MS法を確立でき、測定の一部をHPLC法よりLC-MSに移行できた。そのことにより、HPLCのランプ、分析用カラム等の購入が抑えられた。24年度は、23年度の繰越金を含め以下の消耗費の支出に充てたい。1)HPLCのメンテナンスに必要なランプ、シール等2)測定に必要な試薬、溶媒、分析用カラム、ガラスおよびプラスチック容器等3)実験結果の解析に必要な統計解析ソフト
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