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2011 年度 実施状況報告書

肝内脂肪量を指標とする生活習慣病予防と健康増進を目指す食事理論の構築

研究課題

研究課題/領域番号 23617029
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

田中 逸  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (40276499)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード内科 / 栄養学 / 糖尿病 / 生理学 / 食品
研究概要

平成23年度は下記の2つの検討を行い、結果の一部を学術論文と学会発表で報告した。1.横断的検討(1)健常者集団としてBMI23 kg/m2未満、かつ我が国のメタボリックシンドローム(Mets)の診断基準の全項目に該当しない45例(対照群:男性16 / 女性29)、(2)Metsと診断された未治療放置64例(Mets群:男性29 / 女性35)を登録し、横断的な検討を行った。対照群は年齢42±11 yr、BMI 20.2±1.4 kg/m2、HOMA-R 0.7±0.4、1H-MRS(MRを用いた水素原子核磁気共鳴スペクトル法)による肝内脂肪量3.1±3.0%に対し、Mets群はそれぞれ42±13 yr、34.7±7.2 kg/m2、3.0±1.5、32.1±17.7%であり、年齢以外の項目は全てMets群で有意に高値であった(平均±標準偏差、全てp<0.01)。Mets群はさらに上下腹部CT検査より体脂肪分布を詳細に測定した結果、内臓脂肪総体積(VFV)は4995±1577 cm3、腹部皮下脂肪総体積(SFV)は11997±5768 cm3であった。両群の肝内脂肪量のデータはおおむね正規分布しており、両群のカットオフ値は約10%であり、これを暫定的な脂肪肝の診断基準とした。2.前向き検討Mets群に対して5%の体重減少を目標とする食事指導(平均28 kcal/標準体重kgと運動指導(最低150 kcal/日)を開始した。減量目標を達成できた9例の肝内脂肪量の平均減少率は36%であったが、VFVは19%、SFVは18%の減少率であった。例数をさらに増加させると同時に、上下腹部CTの部位別解析から、(1)解剖学的に減少しやすい内臓脂肪はどの部分か、(2)臍部における内臓脂肪の横断的面積と内臓脂肪総体積の減少率の比較検討についても検討を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

対照群、Mets群の症例登録は順調に進行している。また種々の臨床背景因子の整理と体脂肪に関する詳細な評価も順調に進行している。すでに前向き研究も開始しており、一部の成果は学会発表している。平成24年度の春季にはその後の研究成果も発表予定である。

今後の研究の推進方策

対照群とMets群の症例登録をさらに進める。両群の臨床因子の解析から平成24年度はさらに横断的解析の精度を上げると同時に、前向き研究の例数の増加を図る。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度は1H-MRS、上下腹部CT、2重X腺吸収法など体脂肪評価の各種画像検査の消耗品や検査キットに60万円、交通費と事務通信費等に70万円の計130万円を使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Intrahepatic lipid content is linked to resistance in obese subjects.2011

    • 著者名/発表者名
      Sada Y, Tanaka Y, et al.
    • 雑誌名

      Obesity Research and Clinical Practice

      巻: 5 ページ: e129-2136

    • DOI

      10.1016/j.orcp.2010.12.007

    • 査読あり
  • [学会発表] 肥満者における5%減量前後のインスリン抵抗性と体脂肪分布の詳細な評価2011

    • 著者名/発表者名
      佐田 幸由、田中 逸、他
    • 学会等名
      第26回日本糖尿病合併症学会
    • 発表場所
      大宮ソニックシティ(埼玉県)
    • 年月日
      2011 – 1014

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公開日: 2013-07-10  

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