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2013 年度 実績報告書

やせ型若年女性に多発する耐糖能異常発症機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23617031
研究機関名古屋学芸大学

研究代表者

塚原 丘美  名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 教授 (00387911)

キーワード耐糖能異常 / やせ型 / インスリン分泌 / インクレチン分泌
研究概要

1.75gOGTTのスクリーニング:平成25年5月に女子大学生142名(20.4±0.5歳、BMI 20.4±2.4)を対象として75gOGTTを行った。その結果、正常型97名(68.4%)、耐糖能異常者45名(31.6%)であった。
2.介入試験(前後比較):上記のスクリーニングで耐糖能異常が認められ、承諾が得られた被験者(16名)のうち13名が3ヶ月間の介入期間を終了した。介入内容は糖質を規則正しく毎食一定量(個人で設定)摂取することである。
75gOGTTにおけるPGの60分値では介入前155±28 mg/dLに対し介入後は124±47 mg/dLと有意に低下した(p=0.012)。介入後のPGは全体的に介入前に比べて低値を示し、PGのAUC(曲線下面積)は有意に低下した(p=0.028)。このPGの低下に影響を与えるIRIの30分値では介入前56.5±49.3 mU/Lに対し介入後は65.5±46.7 mU/Lと増加する傾向にあった(p=0.057)。30分までの初期インスリン分泌能を示すInsulinogenic Indexは介入前後でそれぞれ0.81±0.93、1.31±1.28と介入によって増加する傾向を示し(p=0.059)、このうち問題となる低値(1.0以下)の被験者9名はすべて介入後に増加した(p=0.002)。これに対してインスリン抵抗性を示すHOMA-Rとインスリン感受性を示すISIに介入による差はみられなかった。一方、GLP-1に介入前後での明らかな差は認められなかったが、IRIとGLP-1は、OGTT30分値及びAUCにおいてどちらも強い正の相関が認められた。HbA1cは介入前後でそれぞれ5.1±0.2 %及び5.0±0.2 %と有意に低下した(p=0.006)。
以上のことから、我々の仮説どおり、やせ型若年女性の耐糖能異常の原因の一つとして、糖質摂取不足によるインスリン分泌能の低下が影響していると考えられ、これは糖質を規則正しく摂取することで改善されることが明らかとなった。これにインクレチン(GLP-1)の効果が関与しているかについては更なる研究が必要である。

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公開日: 2015-05-28  

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