研究課題
CR4プロモーターにより未分化細胞内でのみ発現する活性亢進型TMPK遺伝子を、レンチウィルスベクターを用いてiPS細胞に遺伝子導入を行った。この細胞を未分化状態を維持する培養系でexpandを行った後、hanging drop cultureを行い、胚葉体(Embryonic body)を形成させた。この胚葉体を分化培地を用いて培養を行うと、本実験に使用している細胞においては、未分化細胞のマーカーとしてのNangプロモーターで発現制御されるeGFP遺伝子の発現が減弱する、あるいは完全に消失することが確認された。つまり、この条件で細胞培養を行うとiPS細胞は分化することが確認された。さらに、分化培地中にCsAを共存させると心筋様細胞に分化し、顕微鏡下での観察において、規則的に拍動する様子が観察された。これらの細胞(未分化および分化した細胞)から全細胞タンパク質抽出液を作製し、TMPK遺伝子の発現をWestern blotにて確認した。この結果、未分化培養条件において、TMPK遺伝子導入細胞では、TMPK遺伝子の発現が認められ、非遺伝子導入細胞では、内在性のものの発現が低レベルで認められた。一方、分化培養条件下では、TMPK遺伝子導入細胞では、TMPK遺伝子の発現が、未分化培養条件と比べて、顕著に低下した。非遺伝子導入細胞では、内在性TMPKの発現が低レベルで認められた。これらのことは、CRプロモーター下でのTMPKの遺伝子発現制御が行われていることを示している。さらにこれらの細胞に培養液中にAZTを添加後に誘導される細胞死については、現在解析を行っているところである。
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