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2012 年度 実績報告書

ランダムウォークの脱乱択化

研究課題

研究課題/領域番号 23650007
研究機関九州大学

研究代表者

来嶋 秀治  九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 准教授 (70452307)

研究分担者 牧野 和久  京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (60294162)
キーワードアルゴリズム理論 / マルコフ連鎖 / 脱乱択化
研究概要

ランダムウォークの脱乱択化とは,ランダムウォークという確率過程を,同等の決定的過程で模倣しようという試みである.ロータールーターモデルはJames Proppにより2000年ごろ提唱された決定的過程で,deterministic random walkともよばれ,マルコフ連鎖の研究者の関心を集めている.
ロータールーターに関する従来研究のほとんどが,数学的興味から無限グラフ上の単純ランダムウォークを対象とするものであった.これに対し本課題では,ロータールーターを確率的アルゴリズムの脱乱択化に応用する研究に取り組んだ.アイデアは,マルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)法への応用を意識し,モデルを有限の有向多重グラフ上に拡張するという素朴なものであったが,MCMC法の脱乱択化という目的を明確にすることで大胆な仮定を置くことができ,分布の誤差の上界を得ることに成功した.さらにこの結果を精査・洗練することで,既約なマルコフ連鎖一般について,推移確率行列の固有値で記述される上界も与えている.解析の改良は今後の課題である.
一方で,多重グラフを用いたモデルでは,枝数が推移確率の値に依存して増える,あるいは無理数の推移確率を扱えないなどの限界もあった.この点を克服するために,無理数の推移確率をも扱える新しい(ロータールータに似た)モデルを開発した.このモデルの解析は今後の課題である.
計算における乱数の働きの解明に向け,本課題ではランダムウォークの脱乱択化という新しい技法の開発に挑戦し,新技法に関する萌芽的成果を得ることができたと言える.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012

すべて 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] 関数ルーターモデルの提案2013

    • 著者名/発表者名
      白髪丈晴,山内由紀子, 来嶋秀治, 山下雅史
    • 学会等名
      2013年電子情報通信学会総合大会
    • 発表場所
      岐阜大学
    • 年月日
      20130319-20130322
  • [学会発表] 無理数の遷移確率をもつランダムウォークの脱乱択化2013

    • 著者名/発表者名
      白髪丈晴,山内由紀子, 来嶋秀治, 山下雅史
    • 学会等名
      日本オペレーションズ・リサーチ学会2013年春季研究発表会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      20130305-20130306
  • [学会発表] Deterministic random walk on finite graphs2013

    • 著者名/発表者名
      Shuji Kijima
    • 学会等名
      Markov Chains on Graphs and Related Topics
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      20130212-20130215
    • 招待講演
  • [学会発表] 確率と計算2012

    • 著者名/発表者名
      来嶋秀治
    • 学会等名
      日本OR学会九州支部 平成24年度 第2回講演会
    • 発表場所
      北九州市立大学
    • 年月日
      20121027-20121028
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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