研究課題/領域番号 |
23650010
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
板野 肯三 筑波大学, システム情報系, 教授 (20114035)
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研究分担者 |
新城 靖 筑波大学, システム情報系, 准教授 (00253948)
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キーワード | オペレーティングシステム / 仮想計算機 / 遠隔手続き呼び出し / ファイルシステム / メモリ管理 / ソケット |
研究概要 |
本研究の目的は、仮想計算機を新たに支援すべき応用プログラム、および、新たに利用すべきハードウェアとしてとらえ、それに適したOSを設計することである。そのために、仮想計算機におけるアウトソーシングとゲスト・ソーシングという独自技術を用いる。そして、従来のマイクロカーネル方式に比類するようなオペレーティング・システムの新たな設計原理を明らかにする。研究期間内に、オープンソースのOSとして広く使われている Linux 等を対象としてOSカーネルを再設計する。 平成24年度には、前年度に実現した Guest RPC を用いて、ホストでは利用できないファイル・システムを、ゲストOSの機能を利用して利用可能にした。具体的には、Linux ホスト OS において利用できない ZFS を、Solaris ゲスト OS を使って利用可能にした。ZFS では、カーネル内の VFS 層の機能他に、カーネル外で様々なコマンドが必要になる。本研究では、カーネル外のコマンドについても、Solaris のものを利用できるようにした。ホスト OS で ZFS 関連のコマンドを実行すると、その引数を RPC の要求としてゲスト OS へ送り、そこで実行する。そしてそのコマンドの実行結果を、ホスト OS へ RPC の結果として返す。 研究期間全体を通じて、アウトソーシング、および、ゲストソーシングという仮想計算機間の相互作用により、ある OS のカーネル、および、カーネル外のコマンドを他の OS から利用できることがわかった。また、メモリ管理についても、仮想計算機の境界を超えて1つホスト OS で統一的な管理を行なうことが可能であることがわかった。これらのことから、今後の OS 設計の仕組みとして、仮想計算機を用いて様々な OS をつなぎ合わせることが有効であることがわかった。
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