研究概要 |
メモリとCPU時間という2種類の資源の,単一のシステム内における配分問題を取り扱うフレームワークを提案し、プロトタイプの実装を行なった。このプロトタイプは、プロセス間でメモリとCPU時間を取引することで、個々のプロセスのスループットを向上させることを目指すものである。プロトタイプを、WebサーバとKey-Value Storeに適用して実験を行い、スループット向上の効果について確認した。その成果を以下の通り学会で発表した。岡本太一, 前田敦司, 山口喜教,CPU使用率とメモリのプロセス間交換にもとづく動的なスループット向上手法,第53回プログラミング・シンポジウム プログラム, (Jan, 2012)岡本 太一,前田 敦司,山口 喜教,CPU使用率とメモリのプロセス間交換にもとづく動的なスループット向上手法,先進的計算基盤システムシンポジウムSACSIS2011 ポスター発表, (May, 2011) この成果は、研究実施計画の平成23年度に実施予定の研究内容を超えて、平成24年度に実施の内容の一部を実施した結果となったが、この順序変更は単一プログラムよりもシステム全体の方が資源の合計量および利用資源の測定方法が明確で、かえって扱いやすいことが判明したためである。本研究のアイデアの基本的な有効性が実証できた点で、非常に重要な成果であったと考えられる。また、資源利用状況から資源の交換比率をより高い精度で推定する研究を行い、以下の論文としてまとめた。小山駿介, メモリ・CPUのトレードオフ計算資源配分における性能推定方式,平成23年度情報科学類卒業研究論文, (Mar, 2012)
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