研究課題/領域番号 |
23650030
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
戸出 英樹 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20243181)
|
研究分担者 |
谷川 陽祐 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90548497)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | コンテンツ / 交換方式 / 新世代ネットワーク / CSN / 光ネットワーク |
研究概要 |
最終目標である新世代光ネットワーク基盤におけるコンテンツベース交換方式の確立に向けて、平成23年度は、基本方式や原理の詳細化を行い、基本特性の基礎評価を行った。具体的な成果は以下のとおりである。 まず、詳細なシグナリングプロトコルを設計した。コンテンツ転送に先立ちシグナリングプロトコルによりメモリ確保や波長リンクの予約を行う必要がある。上記の物理資源を確保できない場合にコンテンツ交換ノードでの大容量蓄積部での蓄積を遂行する。いくつかのアプローチでシグナリング手順を検討した結果、メモリ資源の容量や往復の信号伝搬遅延に対し相対的に大きなコンテンツと小さなコンテンツでシグナリング手順を変更すべきであると判断し、適切な基本提案方式を規定することができた。また、ノードの構成法に関して詳細な検討を行い、入出力側のインタフェースカードに対し、交換部を光交換部と電気交換部を並列に配置し、光カットスルーと電気蓄積交換とを資源予約処理の状況に応じて自在に切り替えることが可能なコアの交換ノードアーキテクチャを採用することとした。これにより、全光伝送交換の高速性と電気交換の蓄積能力を適応的に使い分けることが可能となった。 次に、計算機上でOmnet++を利用した提案方式のシミュレータを開発した。本シミュレータを用いた基本性能評価を行い、光回線交換とコンテンツベース交換とを転送時間と転送要求の棄却率の面から比較した。その結果、両方式間で転送時間の大きな差はなく、ホップ数の長い経路の設定要求に対して特に棄却率を大きく改善できることが明らかとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、基本方式の確立に向けて、シグナリングの検討ならびに詳細化、ノードアーキテクチャの明確化、基本性能の評価を通じた有効性の確認を行った。進捗は順調である。
|
今後の研究の推進方策 |
H24年度に予定していたカットスルー機能を適応的に組込んだシグナリングとノード構成を既に基本提案しているが、特に小規模コンテンツのシグナリングに関してはさらに詳細検討を行うことで方式に改良を加える予定である。多波長並列伝送方式などへのプロトコル発展を進める予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用予定の金額については、当初予定していた米国の国際会議ではなく、国内実施の国際会議での発表を行ったことに起因する。平成24年度は当初の予定に対して国外の国際会議発表を追加的に行うことを目指しており、早めの対応として既にIEEE Globecom2012に研究成果を投稿中である。それ以外は特に問題点はなく、予定通りの使用計画を遂行する。
|