研究課題/領域番号 |
23650030
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
戸出 英樹 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20243181)
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研究分担者 |
谷川 陽祐 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90548497)
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キーワード | コンテンツ / 交換方式 / 新世代ネットワーク / CSN / 光ネットワーク |
研究概要 |
最終目標である新世代光ネットワーク基盤におけるコンテンツベース交換方式の確立に向けて、平成24年度は、前年度の基礎評価の結果、問題となっていた中継トラヒックとアクセス部からの入力トラヒックが混在するため、長距離パスの特性が大きく劣化する問題に対応するため、波長資源の優先利用領域を確保する方式を導入した。 次に、前年度では、コンテンツのサイズに応じて、ブロッキング特性や遅延特性に大きな違いがでることから、サイズに応じた異なるシグナリング方式を検討・評価してきたが、根本的な問題として、サイズ境界をどのように決定するかという方針が確定しない。そこで、シグナリング方式を統一化するため、絶対的なサイズによる判定ではなく、基本的に経路上の波長資源とノード内メモリ資源の空き状況に応じて特定サイズのコンテンツの伝送要求をLarge用として扱うか、Small用として扱うかを適応的に判断する方式を提案した。途中で資源が不足した場合などの各ケースに対して網羅的にシグナリング手順を規定した。性能評価のためには大幅なシミュレータ改良を伴うことが自明であったため、平成24年度は入念な仕様の策定と、性能評価が可能なOmnet++を利用した計算機シミュレータの構築に専念した。 また、詳細に規定できていなかった、アクセス部における、コンテンツ転送要求が不可能であった場合の再試行の方式や複数の転送要求のスケジューリング機構の方式を検討し、具体的な手順を明確化した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定とは異なり、段階を踏んで研究を進めて行くにつれて、新たな課題が浮上したものの、本研究全体における各課題解決の重要度を鑑みて、適切な改良を行うことができている。平成24年度の研究の進捗により、より多様性のある、フレキシブルなネットワーク制御方式が確立できた。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に拡張設計を行った、多様性のある提案方式をさらに精査し、構築がほぼ完了しているシミュレータを完成させた後に詳細な性能評価を行う。また、本成果を整理して論文投稿を実施する。実際には、2本の論文誌投稿を計画しており、さらに、国際会議へでの発表を行い、国内外への積極的な成果の発信を行う予定である。さらに、複数波長資源を利用した並列転送など、重要度の高い拡張方式を選別し、新提案方式の骨格に組み込んだうえで、詳細な性能評価を追加する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、本格的な性能評価を行う年度となる。また、得られた成果を積極的に発表する予定である。そのため、できる限り高性能な性能評価用の最新計算機を早期に購入し、性能評価を積極的に行う予定である。また、論文投稿を積極的に行うと同時に国際会議への投稿発表、国内研究会や全国大会などへの最新成果報告を行う予定であり、国際会議発表、調査に対する旅費と参加費、並びに国内発表の旅費への追加捻出を計画している。具体的には、国際会議Globecom2013への参加やCCNCへの投稿発表を予定している。
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