研究課題
本課題では、新しい構造化P2PネットワークWaon (Well-distributed Algorithm for Overlay Network) の基礎理論の確立と性能の検証を行った。この研究を通じて、Waonが「100万個以上のノードの参加を可能とするスケーラビリティ」「ノードの性能に応じた動的な負荷分散機能」「オブジェクトの効率的な範囲検索」「P2Pネットワークによって発生する物理ネットワークのトラフィックの削減」の全てを同時に実現できることを確認した。Waonは、ノードとオブジェクトを仮想的なID空間に配置し、ID空間上のノード位置とオブジェクト位置に基づいてP2Pネットワークを構築する。本課題では、Waonネットワークの設計と新しい動的負荷分散アルゴリズムの開発を行い、Waonに参加している各ノードの計算負荷や通信負荷の動的な負荷分散を実現した。ここで新たに開発した動的負荷分散アルゴリズムは撹拌性を持たない。そこで、各オブジェクトの値を考慮してオブジェクトを分散配置することにより、オブジェクトの効率的な範囲検索を実現した。また、各ノードの物理的位置を考慮して各ノードの通信先ノードを決定することにより、物理ネットワークのトラフィックを削減に成功した。シミュレータを用いた性能評価により、Waonによって発生する物理ネットワークのトラフィックは、従来手法の半分以下となることを確認した。本課題の成果を論文としてまとめ、1個の国際学術論文と2個の国際会議において発表した。また、Waonのプロトタイプシステムを実装し、国内研究会でWaonの動的負荷分散機能のデモンストレーションを行った。さらに、Waonの技術を用いて集計機能を有するスケーラブルな分散データベースを実装し、産学官連携フェア2013において情報分散機能と情報集計機能のデモンストレーションを行った。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
Proceedings of the 7th International Conference on Broadband, Wireless Computing, Communication and Applications (BWCCA2012)
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International Journal of Grid and Utility Computing
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Proceeding of the 2nd International Symposium on Technology for Sustainability (ISTS2012)
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http://takeda.cs.tohoku-gakuin.ac.jp/ja/research/paper