研究課題/領域番号 |
23650033
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
高田 秀志 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (30378830)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 情報共有 / 個人識別性 / 携帯端末 |
研究概要 |
本研究では,携帯端末を持っているユーザが街中で遭遇した際に,端末同士が自律的に,ユーザが取ったメモや撮影した写真などの情報を交換することによって情報の伝搬を可能にする「携帯端末間伝搬型情報交換」を対象とし,このような環境を構築する場合の問題点の一つとして,情報の信憑性の確保や無用情報の氾濫の防止のために「ユーザの識別性をどのように扱うか」についての検討を行っている。 平成23年度は,「情報の受信者に発信者個人を識別できる情報をいかに提供するべきか」について検討を行い,そのための一つの指標として,「公共性判定」を行うための手法を検討した。現在までに,情報の公共性を判定する方法として,特徴的なキーワードによるWeb検索を用いて「ニュース記事」「イベント案内」「口コミ情報」「辞典的情報」に分類するためのパラメータについて調査を終えている。 また,上記の識別性情報を決定するもう一つの指標として「利用者状況取得」の方法についても検討を行っている。ここでは,Bluetoothの端末検出情報を用いてユーザの状況を取得することを考えており,実際に検出ログを用いた分析を通して「徒歩で移動中」「電車に乗車中」などの状況に応じた特徴が明らかになってきている。 さらに,携帯端末間伝搬型情報交換の実現例として,外国語習得を目的としたすれ違い通信によるユーザプロファイル交換システムを開発し,大学のキャンパス内で評価を行った。また,循環型情報共有環境のための情報閲覧ツールのプロトタイプ作成などを実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
情報のコンテンツから特徴的なキーワードを抜き出して情報の公共性を判定する手法はこれまでにないチャレンジングな課題であるが,分類を行う指標として「ニュース記事」「イベント案内」「口コミ情報」「辞典的情報」を設定することによりWeb検索におけるヒット数の特徴をうまく活用することができるようになった。今後は,さらに様々な情報で検証を行い,発信者個人を識別するための情報を提供するための指標として精度を高めていく。 また,ユーザの状況を判定する手法としては,従来多く採られていた位置情報を活用する方法に加えて,最近のスマートフォンの普及に伴って多くの端末に搭載されるようになったBluetoothを用いて,その検出ログを活用することが可能となり,特徴化が行いやすくなってきた。ユーザの識別性を与える情報を判定するという目的に関しては,十分な利用者状況が取得できるようになったのではないかと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに検討してきた「公共性判定手法」および「利用者状況取得手法」をもとにして,「携帯端末間伝搬型情報交換」を実現する環境におけるユーザ識別性情報の提供機能を構築する。また,開発したソフトウェアを無償配布することによって多くの利用者に利用してもらい,アンケート調査等によって評価を行う。さらに,アンケート調査からのフィードバックを活用して上記の手法や開発したソフトウェアの改良を行い,より有益な環境となるように務める。 平成24年度は近年普及が加速しているAndroidプラットフォーム上での開発を加速することによって,実社会のニーズに合うよう研究を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は本研究課題の最終年度であるため,成果発表を重点的に進めることとし,学会発表時に必要な旅費や学会参加費に使用する。また,Androidプラットフォーム上での開発用としてAndroid OSを掲載した携帯型端末や開発用PC,通信用のSIMカードを購入する。プログラム開発やアンケート等の資料整理には研究補助者として学生・大学院生を雇用し,謝金を支払う。
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