研究概要 |
我々が日常生活している3D実空間で光線は5次元情報f(x,y,z,θ,φ)として記述できるが、3D映像技術においてこれまで検討されてきた技術は3次元もしくは4次元の光線情報を扱うのみであった。本研究では3D実空間の5次元光線情報を完全に再現するための研究開発を行う。これにより、3D実空間そのものを別の場所で再現したり、博物館の展示物やデパートの商品等を世界中どこでも完全再現できたり、さらには、3DCGで制作された仮想空間を3D実空間上に完全再現したりすることが可能となる。本研究では、高密度に5次元光線情報の再生を実現するための理論構築を行うものであり、また、その結果は簡易実験を通じて実証する。以上の成果は将来の超臨場感通信分野においてあらゆる応用に適用可能な極めて有益なものである。 本研究では、提示コンテンツとして主に3DCG映像を対象とすることとし、「5次元光線情報を完全に再現する表示系」を研究開発することが目標である。予算的・時間的制約から簡易システムによる試作段階までの研究に取り組む予定である。また、3DCG映像を実写映像のシミュレーションと位置づけ、3D映像技術のためのComputational Photography技術についても取り組む予定である。 以上の成果は、教育、エンターテインメント、デジタルサイネージ等をはじめコンテンツ分野全体において多様な応用が可能とするものであり、将来の超臨場感通信通信の基幹技術となりうるものである。
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