研究課題
本年度に関しては,昨年度に提案した高速な粘弾性体アニメーション手法のGPUによる並列化を試みた.なお,ここでは,昨年度にCPUによる実装で得られたものと同程度の品質のアニメーションを生成できることを目標とした.GPU上の実装は,nVIDIA社によってリリースされているプログラミング言語であるCUDAを使って行った.まず,流体側の処理方法であるSPH法の実装に関しては,CUDAを利用した既存のパーティクルシミュレーションの実装を拡張する形で行った.GPUでの実装において最も時間がかかる処理は,点群が動的に変化する状況での近傍パーティクルの探索方法である.ここでは,グリッドハッシュと基数ソートに基づく方法を利用している.次に,弾性体側の処理方法であるシェイプマッチング法の実装に関しては,基本的にはSPH法と同じく近傍パーティクルの探索が必要となり,SPH法と共有することができる.あとは,CPUでの処理とほぼ同じであった.表面メッシュの生成に関しては,空間距離場の等値面を抽出することを基本とし,MC法をGPU上で実装することで行った.パフォーマンスに関しては,CPUがCore i7 2600,GPUがGeForce GTX 680の環境下にてテストを行った結果,CPUでの同じ点数での計算と比べ,表面メッシュの生成を含め,トータルで約20~30倍程度の向上が確認できた.
すべて 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Computer-Aided Design and Applications
巻: Vol.10, No.1 ページ: 33-44
DOI:10.3722/cadaps.2013.33-44
巻: Vol.9, No.6 ページ: 869-879
DOI:10.3722/cadaps.2012.869-879
http://graphics.c.u-tokyo.ac.jp/