研究課題
本研究の目的は,対象物内に適切なテンソル場を定義し,その特異点特徴を利用して小四辺形,六面体集合の全体的な配置を制御することで,有限要素法解析に必要な前処理である,対象物内に質の高い四辺形,六面体メッシュを生成する手法を構築することにある.具体的には,A)対象物体の境界条件からの物体内テンソル場補間,B)生成したテンソル場内に存在する特異点特徴抽出,C)特異点特徴を利用したテンソル場からの六面体メッシュ変換の3つの手法を構築する必要がある.平成24年度は,前年度得られた四辺形メッシュの生成手法について,設計システム等も含め実装を行い,国際学会での発表までの作業を行った.さらに四辺形メッシュ構築において,前年度の実装したものに加えて,テンソル場を表現するいくつかの基本パタンを用意し,その線形結合を生成することで,より制御性の高いテンソル場の設計および四辺形メッシュの生成が実現できるようになった.この手法は,四辺形メッシュ生成に加えて,例えば自然画像をテンソル場にそった抽象表現に変換するための,基礎手法としても応用ができることを示した.これは,自然に3次元ボリューム内におけるテンソル場に拡張可能な手法となっている.しかしながら,2次元の特異点の扱いを3次元に拡張する際には,いくつか考慮すべき点があり,現状では系統的に扱える範囲の特異点に関してのこの処理を実装することで対応を行なっており,この段階でである程度のメッシュの質も保てることは確認した.今後は,3次元テンソル場を扱うための道具立てももう少し整備し,より質の高いメッシュ生成やメッシュトポロジーの制御について対応を行いたい.
すべて 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
The Visual Computer
巻: Vol. 29 ページ: 未定
10.1007/s00371-013-0809-1
Computer Graphics Forum
巻: Vol. 32 ページ: 未定
to be available soon
巻: Vol. 31 ページ: 925-934
10.1111/j.1467-8659.2012.03085.x
Proceedings of the 8th International Symposium on Visual Computing (ISVC2012),
巻: なし ページ: 726-735
10.1007/978-3-642-33191-6_72
http://www.visual.k.u-tokyo.ac.jp/