研究課題
近年普及している3D放送の次は没入型コンテンツである。没入型コンテンツとは視聴者が映像の空間に没入して楽しめるコンテンツであり、没入型ディスプレイに表示される。データサイズが莫大なため、従来の放送方式で没入型コンテンツを放送すると再生途切れ時間が非常に長くなる問題がある。再生途切れ時間とは、再生開始時刻までにデータの受信が間に合わず、再生が途切れている時間の合計を示す。本研究では、この再生途切れ時間を短縮するだけでなく、再生途切れのない没入型コンテンツの放送型配信を目的とする。この目的を達成するために、従来、放送帯域の無駄使いと考えられていた「蓄積再生」を用いる。これまでに、我が国の地上波デジタル放送を想定して、没入型コンテンツを、モデルデータと、モデルデータに変化を与える動作データに分けて配信する手法を提案してきた。単純に最初から最後まで通常速度で再生する場合を想定していたが、再生が途切れると他のデータを再生することや、早送りや巻き戻しといった再生方法が考えられる。そこで今年度は、あらかじめ予備のデータを蓄積しておき、再生が途切れると予備のデータを再生する手法を提案した。予備のデータは、再生端末が通信できる状況にあるが没入型コンテンツを再生していないといった、空き時間に配信する。予備データを再生することで、再生が途切れても映像の表示を続けられる。また、電波放送だけでなく、インターネット放送も想定して研究を進め、没入型コンテンツのスケジューリング手法を提案、評価して提案手法の有効性を確認した。
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International Journal of Pervasive Computing and Communications (IJPCC)
巻: Vol. 9, Issue 2 ページ: 98-114
10.1108/IJPCC-04-2013-0009
情報処理学会論文誌
巻: Vol. 54, No. 11 ページ: 2360-2370
情報処理学会論文誌:デジタルコンテンツ
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