研究課題/領域番号 |
23650057
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
廣瀬 通孝 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (40156716)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | Pseudo-haptics / 触力覚提示 / 視覚提示 / 視触力覚ディスプレイ / 錯覚現象 |
研究概要 |
本研究の目的は, Pseudo-Haptics効果を利用した視触力覚ディスプレイの構築である.Pseudo-Haptics効果とは視覚を利用して疑似触力覚を生成できる効果であり,物理的なデバイスを用いることなくある程度の触力覚が提示できる可能性が近年の研究で明らかになっている.本研究ではこの効果を汎用的な触力覚提示手法と,従来手法では不可能な複雑形状を触った際の触力覚を合成・提示可能なシステムの構築を目指す.提案システムは,単純な触力覚を物理的に提示する触力覚提示部と,Pseudo-Haptics効果を誘発する視覚提示部より構成される.本研究は (1) Pseudo-Haptics効果による引き込み可能範囲の評価,(2)インタラクティブな視触力覚ディスプレイ手法の確立,(3)最終的なシステム構築と評価・最適化の3テーマからなる.本年度は,(1)Pseudo-Haptics効果による引き込み可能範囲の評価として,物体との接触方法をなめらかな面と角という二つの要素にわけ,それぞれについて物理的に提示される触力覚刺激に対し,ユーザの知覚をどの程度変化させることが可能かを検討した.まずPseudo-Haptics効果を誘発するための実験システムを構築した.このシステムでは,実際の物体をなぞっているユーザの手の動きを時間的・空間的に変換し,任意の形状のバーチャルなオブジェクトを触っているかのようなフィードバックを与えることができる.このシステムを用いて,なめらかな面については二次元および三次元曲面の曲率,角については角の位置および角度をPseudo-Haptics効果によってどの程度操作可能であるかを実験によって明らかにした.この成果をもとに,局面と角という要素を組み合わせて複雑な形状が提示できる視触力覚ディスプレイの基本設計を検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り順調に研究が進展しているため.
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今後の研究の推進方策 |
これまでに最終的な視触力覚ディスプレイを構成するための基本要素は順調に進んでいるため,引き続き同じ体制で研究を推進し,基本要素を組み合わせた複雑な形状提示が可能な視触力覚ディスプレイの構築を目指す.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度はこれまでの成果を統合した視触力覚ディスプレイの構築のために物品費を使用するほか,得られた成果を発表するための旅費や学会参加費,論文等校費等に研究費を使用する計画である.
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