研究課題
近年、ロボット、自動車、飛行機などに人間の目、脳に相当する高度な画像識別能力を追加し、自律的に動かしたいとの要求が高まっている。しかし、人間の目や脳が行う並列処理は既存の集積回路の性能を大幅に超えており、模倣することは至難の業である。例えば、イメージセンサから1msの周期で100万ピクセル数の画像を取り込み、その周期内に10万枚の同ピクセル数の参照画像とを比較する場合、その参照画像の転送とその識別速度はペタピクセル/秒にも達する。そこで本研究ではMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、レーザアレイ、ホログラムメモリ等の光技術を集積回路(VLSI)技術に導入して、上記仕様を満たせるコンパクトで組み込み可能なリアルタイムな視覚認識システムを実証した。MEMS・レーザインターリブ方式による、体積ホログラムメモリのアドレッシングモジュールを開発し、リアルタイムな視覚情報処理が可能なプロトタイプシステムを開発した。1つのレーザ、1つのミラーにより4つのコンテキストのアドレッシングが可能であることまでを実証した。将来的にはレーザを増やすこと無く、ミラーの数のみ増やすことで、10万枚のコンテキストやテンプレート画像情報などのアドレッシングが可能になる。また、外界から16階調までのアナログ画像を取り込み、ゲートアレイを使用して4つの画像を識別する試験も行い、それに成功した。
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Applied Optics
巻: Vol.52, No.9 ページ: 1939-1946