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2011 年度 実施状況報告書

コミュニケーションのためのロボットの目:外見と機能の総合的デザイン

研究課題

研究課題/領域番号 23650094
研究機関埼玉大学

研究代表者

久野 義徳  埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (10252595)

研究分担者 小林 貴訓  埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (20466692)
児玉 幸子  電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (10323883)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード画像、文章、音声等認識 / 知能ロボティクス / 社会学 / マルチモーダルインターフェース / ヒューマンロボットインタラクション
研究概要

目はものを「見る」ためにあるが、非言語コミュニケーションのために他者に「見せる」機能も重要である。そこで、平成23年度は、ロボットにとって、どのような形態の目がコミュニケーションに適切かを実験的に明らかにすることを目的として研究を行った。 半球状の発泡スチロールをロボットの頭部として、目にあたる部分に半透明の半球を埋め込み、そこに小型のプロジェクタにより目のCG像を投影できるシステムを開発した。CG像なので、目の形状を自由に変化させることができる。そこで、目の全体の形状を完全な円から扁平なものまで3種類、瞳の大きさを大きいものから小さいものまで3種類、したがって、それぞれの組合せで9種類の目を準備した。これを用い、ロボットが前方に置かれた多くのマーカーの中の一つに視線を向けたとき、どれを見ているかを被験者に答えてもらう実験を行った。その結果、人間の目の形状(中ぐらいの扁平度、中程度の瞳の大きさ)から、白目の部分が見えていれば瞳が大きめの場合に、ロボットの視線方向が読み取りやすいことが分かった。 また、この9種類のロボットの外見について、好みを聞くという感性評価実験を行った。その結果、全体形状が円で、瞳も大きいものが、好まれることが分かった。これはアニメ等で多く用いられている目の形状である。 以上の結果、ロボットの目としては視線の読み取り易さと好感度の両者を考えると、人間の目の形状程度から、全体形状をさらに丸くし、瞳も大きくする、ただし、目を動かしたときに白目の部分が見えるようにしておくというものが、コミュニケーションの点では適切であろうということが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

最初から様々なロボット頭部を作る代わりに、研究実績の概要で述べたように、発泡スチロールの半球を利用したロボットを製作した。これにより、目全体の大きさや瞳の大きさなどを変えた、統制された実験を行うことができた。その結果、適切な目の形状についての知見が得られた。また、次年度以降に行う計画であった、ロボットの顔に対する感性的評価も、このロボット頭部を用いて行った。以上の点では、研究は計画より進展していると言える。ただし、本年度の計画にあった頭部を自由に取り換えられるロボット頭部の開発は、本年度のものを基本に改良することにより実現できるものではあるが、実際の開発は次年度に繰り越したので、全体の評価としてはこの評価になる。

今後の研究の推進方策

平成23年度は当初の計画では、実験用のロボット頭部としていくつかの種類のものを作る予定であった。しかし、まず視線方向検知の実験をいろいろと条件を変えて行いやすいものとして、発泡スチロールの半球を利用し、目の部分に小さい半透明の半球を埋め込み、そこに小型プロジェクタで目のCG像を投影するものを開発した。この製作にはそれほど費用がかからなかったので、ロボット頭部開発用に予定していた予算を平成24年度に持ち越すことになった。平成23年度でロボットの目の適切な形状についての知見が得られたので、平成24年度は、その知見に基づいた複数のロボット頭部を開発する予定である。 ロボットの顔に応じた適切な目の形態については、上に述べたロボット頭部を用いて、実験を進める。 以上に加えて、状況に応じて人間の目がどのように動くかを調べ、ロボットも外界の状況を認識してそれに応じて目を動かすことについて研究を進める。

次年度の研究費の使用計画

自由に取り換えられるロボット頭部に、内側から目のCG像を投影する構造のロボット頭部を開発する。そのための部品類を購入する。 成果発表のために外国旅費を使用する計画である。フランスで行われるRo-MAN2012への参加を予定している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (6件)

  • [学会発表] Attracting and Controlling Human Attention through Robot’s Behaviors Suited to the Situation2012

    • 著者名/発表者名
      M.M.Hoque, T. Onuki, Y. Kobayashi, Y. Kuno
    • 学会等名
      7th ACM/IEEE International Conference on Human-Robot Interaction (HRI2012)
    • 発表場所
      ボストン(アメリカ)
    • 年月日
      2012年3月6日
  • [学会発表] 心のカンカク:距離に応じて変化するCGキャラクターの感情表現2012

    • 著者名/発表者名
      佐藤貴之、児玉幸子
    • 学会等名
      第6回エンターテインメントと認知科学シンポジウム
    • 発表場所
      電気通信大学(東京都)
    • 年月日
      2012年3月18日
  • [学会発表] Emotional Distance: A Virtual Human's Facial Expressions Based on the "Hedgehog's Dilemma" Model upon Encountering and Becoming Accustomed to a Person2012

    • 著者名/発表者名
      T. Sato, K. Goto, S. Kodama
    • 学会等名
      ASIAGRAPH Forum 2012
    • 発表場所
      東京大学(東京都)
    • 年月日
      2012年3月13日
  • [学会発表] Controlling Human Attention through Robot's Gaze Behaviors2011

    • 著者名/発表者名
      M.M. Hoque, T. Onuki, Y. Kobayashi, Y. Kuno
    • 学会等名
      4th International Conference on Human System Interaction (HSI2011)
    • 発表場所
      慶応大学(横浜)
    • 年月日
      2011年5月20日
  • [学会発表] 親しみやすさと視線コミュニケーション機能を考慮したロボットの目のデザイン2011

    • 著者名/発表者名
      小貫朋実、宮田雄規、小林貴訓、久野義徳
    • 学会等名
      HAIシンポジウム2011
    • 発表場所
      京都工芸繊維大学(京都市)
    • 年月日
      2011年12月3日
  • [学会発表] Controlling Human Attention by Robot’s Behavior Depending on his/her Viewing Situations2011

    • 著者名/発表者名
      M.M. Hoque, T. Onuki, E. Tsuburaya, Y. Kobayashi, Y. Kuno
    • 学会等名
      International Conference on Social Robotics (ICSR2011)
    • 発表場所
      アムステルダム(オランダ)
    • 年月日
      2011年11月24日

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公開日: 2013-07-10  

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