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2012 年度 実施状況報告書

コミュニケーションのためのロボットの目:外見と機能の総合的デザイン

研究課題

研究課題/領域番号 23650094
研究機関埼玉大学

研究代表者

久野 義徳  埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (10252595)

研究分担者 小林 貴訓  埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (20466692)
児玉 幸子  電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (10323883)
キーワード画像、文章、音声等認識 / 知能ロボティクス / 社会学 / マルチモーダルインターフェース / ヒューマンロボットインタラクション
研究概要

目はものを見るためにあるが、非言語コミュニケーションのために他者に見せる機能も重要である。また、人間と共存するロボットとの目としては、人間に親しみやすい感じを与えるものが望まれる。そこで、前年度に引き続き、この2点についてどのような目の形状がよいか被験者実験により検討した。
実験には、前年度に開発した、半球状の発泡スチロールをロボットの頭部として、目にあたる部分に半透明の半球を埋め込み、そこに小型のプロジェクタにより目のCG像を投影できるシステムを利用した。それを用い、目の全体の形状を完全な円から扁平なものまで3種類、瞳の大きさを大きいものから小さいものまで3種類、従って、それぞれの組合せで9種類の目を準備した。前年度に行った実験で不備のあった点を修正し、被験者も増やして実験した。その結果、人間の目の形状(扁平度も瞳の大きさも中程度)から、白目の部分が見えていれば瞳が大きめの場合に、ロボットの視線方向が読み取りやすいという前年度の予備実験と同じ結果が得られた。
また、この9種類のロボットの外見について、好みを聞くという感性評価実験を行った。その結果も前年度と同様で、全体形状が円で、瞳も大きいものが、好まれることが分かった。今年度は、文化による差があるか調べるために、日本に来ている英語を母国語とする人についても実験した。全体としてほぼ同様の結果であったが、人間の目の形状の方をより好む傾向が見られた。被験者数が少なく断定できないが、日本のアニメで丸い大きな目がよく描かれているのと関係があるかもしれない。
以上で得られた好ましい形状の目を、実際のロボット頭部の中に投影の機構を組み込めるように小型化して実現した。ロボット頭部には、超小型カメラを左右の目の下に取り付け、ステレオ視により眼前の物体の3次元位置を求め、物体を追いかけて見ているように視線を動かすことができるようにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

人間にとって、視線が読み取りやすく、親しみやすいロボットの目の形状を明らかにし、国際会議で成果を発表した。また、学会誌論文も投稿した。この結果をもとに実際にロボット頭部も開発した。以上により、研究目的のうち、静的な形状についての目標は達成できた。次の目標は、この目を適切に動かす動的な部分についての検討である。これについても、どのように目を動かせばよいかの知見を得るために、状況に応じた人間の視線の動きについて、視線計測装置を借りて実験を始めている。以上のことから、研究は順調に進展していると判断できる。

今後の研究の推進方策

ロボットの目の形状という静的な部分に関しては成果が得られたので、今後は状況に応じて視線をどう動かすかという動的な部分を中心に研究を進めていく。まず、人間が状況に応じてどのように視線を動かしているかを被験者を用いた実験で明らかにする。そして、この知見に基づいて、ロボットの視線を動かせるようにする。ロボットシステムが開発できたら、このような視線の動きが人間とのコミュニケーションに有効か評価実験を行う。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度は、ロボット頭部の製作のための予算を計上していたが、ロボット頭部としては保有していたロボットの頭部を用い、それに開発したプロジェクタによるCGの目の投影機構を組み込むようにしたので、それほど費用がかからなかった。それで生じた次年度使用額については、ポーランドで行われるHSI2013(International Conference on Human System Interaction)での成果発表のための外国旅費に使用する計画である。その他、研究費は、内側から目のCG像を投影するロボット頭部の改良のための部品等に使用する予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 学会発表 (7件) (うち招待講演 2件)

  • [学会発表] 注視を演出するコミュニケーションロボット2013

    • 著者名/発表者名
      小貫 朋実,江連 智香,石野田 貴文,小林 貴訓,久野 義徳
    • 学会等名
      画像センシングシンポジウム(SSII2013)
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜市)
    • 年月日
      20130612-20130614
  • [学会発表] Tracking Visitors with Sensor Poles for Robot's Museum Guide Tour2013

    • 著者名/発表者名
      T. Oyama, E. Yoshida, Y. Kobayashi, and Y. Kuno
    • 学会等名
      6th International Conference on Human System Interaction(HSI2013)
    • 発表場所
      Gdansk, Poland
    • 年月日
      20130606-20130608
  • [学会発表] 人間行動の社会学的分析に基づくサービスロボットの開発2013

    • 著者名/発表者名
      久野義徳
    • 学会等名
      第8回感性ロボティクスワークショップ、日本感性工学会
    • 発表場所
      中央大学(東京)
    • 年月日
      20130318-20130319
    • 招待講演
  • [学会発表] Designing Robot Eyes for Gaze Communication2013

    • 著者名/発表者名
      T. Onuki, T. Ishinoda, Y. Kobayashi, and Y. Kuno
    • 学会等名
      19th Korea-Japan Joint Workshop on Frontiers of Computer Vision (FCV2013)
    • 発表場所
      Incheon, Korea
    • 年月日
      20130130-20130201
  • [学会発表] 視線コミュニケーションを考慮したロボット頭部の開発2012

    • 著者名/発表者名
      小貫朋実, 宮田雄規, 小林貴訓, 久野義徳
    • 学会等名
      画像センシングシンポジウム(SSII2012)
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(横浜市)
    • 年月日
      20120606-20120608
  • [学会発表] "Bouncing Star" Smart-Ball Project: Focusing on the Interaction of Expressions and Exhibitions

    • 著者名/発表者名
      S. Kodama, T. Sato, H. Koike, and A. Fujimoto
    • 学会等名
      1st Workshop on Smart Material Interfaces: “A Material Step to the Future,” ACM ICMI2012 Workshop
    • 発表場所
      Santa Monica(アメリカ合衆国)
    • 招待講演
  • [学会発表] Development of and Experimentation on Deformable Three-Dimensional Figures by the Use of Polystyrene Beads, a Pressure Sensor, and an Air Pump

    • 著者名/発表者名
      K. Rebane, A. Hakamatsuka, S. Kodama, Y. Matoba, T. Sato, and Hideki Koike
    • 学会等名
      1st Workshop on Smart Material Interfaces: “A Material Step to the Future,” ACM ICMI2012 Workshop
    • 発表場所
      Santa Monica(アメリカ合衆国)

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公開日: 2014-07-24  

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