研究課題/領域番号 |
23650102
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
川端 邦明 独立行政法人理化学研究所, 理研-XJTU連携研究チーム, チームリーダー (90301754)
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研究分担者 |
青沼 仁志 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (20333643)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 昆虫 / 相互作用 / 適応メカニズム / 移動ロボット |
研究概要 |
研究課題の初年度である今年度は,昆虫と人工物の能動的相互作用による昆虫の行動切り替えメカニズム理解の基礎となる要件について研究開発を行った.具体的には,従来の生物学の知見から相互作用により行動切替を行う昆虫の典型例であるクロコオロギを対象として選び,小型移動ロボット(人工物)によるフェロモンコミュニケーションに基づいた能動的な相互作用による行動誘引および相互作用実験に関する条件を実験者の意図に基づいて操作・調整することが可能な実験環境の構築を行った.特に,計算機を用いた実験者による小型移動ロボットの赤外線通信による無線遠隔操縦システム,実験環境の上方に設置した俯瞰カメラから取得される相互作用実験中におけるクロコオロギおよび小型移動ロボットの行動・動作を動画データや音声データとしてオンラインで記録するシステムの開発を行った.クロコオロギ,小型移動ロボットの移動軌跡については,パーティクルフィルタを拡張した手法をソフトウェアとして開発,導入することでオンラインにトラッキング,記録することを可能とした.開発システムを用いて基礎的な検証実験を行った.また,クロコオロギの神経生理学的な研究を行うことで,次年度相互作用実験に必要となる知見・データを得た.今年度の研究活動によって得られた成果の一部については,国際学術雑誌において学術論文として採択された.また,国際・国内の学会などにおいて成果の公表を行うとともに周辺分野の研究者と議論を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
北海道大学青沼研究室での共同実験,研究活動を中心として,当初の予定通り,クロコオロギと小型移動ロボットを用いた能動的な相互作用実験系の構築および基礎実験が実施された.概ね計画通り順調であり,大きな問題はない.円滑に次年度の研究活動計画や成果への展開,が期待出る状態である.
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究活動により得られた,クロコオロギと小型移動ロボットによる能動的相互作用実験および行動データ記録に関するシステムおよび神経生理学の知見を基礎に,多様な条件下で動的な相互作用に関する実験,計測を実施する.これらをもとにクロコオロギの相互作用に基づいた適応的な行動切り替えメカニズムについて研究するとともに,能動的に相互作用可能かつオンライン計測なシステムの利点を活かして,フェロモン行動を引き出すためのロボット制御方策についても研究していく.行動に関する知見もさることながら,相互作用の間のクロコオロギの脳における生理学的な変化を計測する手法について検討,研究を行っていく.これらの活動により得られた成果は,引き続き関係学会などに積極的に公表していくことで研究成果の周知に努める予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度の研究費において残額が生じているが,順調に研究成果が上がっていることをふまえた上で,相互作用実験に必要な小型移動ロボット計測制御系のための実験用計算機周辺機器等へと充当することが研究成果の発展に効果的であると考え,前述残額分を次年度に使用していくこととした.またこれに加えて,次年度配分予定の研究費の使用計画としては,クロコオロギの生物実験のための消耗品や前述の計算機周辺機器等の消耗品を購入・使用することを考えており,これにより実験・研究を円滑に進める予定である.また,これまでに研究を行った成果を国際論文誌や国際会議,国内会議等で公表するための出張旅費や研究活動を促進する調査旅費等にも使用していく予定である.高額の備品等の購入予定はない.
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