研究課題/領域番号 |
23650109
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
中川 匡弘 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60155687)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | カオス / フラクタル / 感性情報 / 脳波 / ヘモダイナミクス |
研究概要 |
本研究課題で提案するブレインアフェクティブインターフェースによるロボット制御技術は,未来のロボット制御技術において不可欠であるだけはなく,介護を有する寝たきり老人や身体障害者の生活支援機器としても渇望されており,その波及効果が期待される.本研究課題では,近赤外分光計測による,酸化・還元ヘモグロビン濃度の揺らぎがカオス性を有しており,被験者に課せられたタスクに応じて,そのカオス強度の指標であるリアプノフ指数に反映されるというこれまでの一連の研究成果を活用し,脳直結型アフェクティブインターフェースを実現する.このような研究は,国内外を問わずこれまで報告されておらず,極めて新規性が高い挑戦的萌芽研究と位置づけられる.【23年度研究実績】ヒトの感性に係る脳活性部位と発生メカニズムの脳波・近赤外分光同時計測による解明のため,現有設備である24Ch近赤外分光装置(OMM-3000:(株)島津製作所)を併用することにより,光(近赤外分光)と電気信号(脳波)の両側面から,より高精度・高信頼な感性・意思情報のアフェクティブインターフェースを構築した.非拘束状態でなるべく心的ストレスの少ない状態で脳波や心拍等の生体信号を計測するため,12Ch小型軽量生体アンプ(Polymate II,TEAC(株)(2,500千円))を導入し,非拘束状態でのリアルタイム感性計測システムを開発した.また,脳波・近赤外分光信号(酸化・還元ヘモグロビン濃度)に加えて,被験者に体動センサー(Polymate II用,センサーユニット,TEAC(株):190千円)を取り付け,そのセンサー時系列データをフラクタル解析することにより,感性情報分離システムへの入力データとし,その計測精度の向上を図った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、脳波信号については,フラクタル次元解析の前処理としてICA分離を行い,行動に伴う筋電信号(ア-ティファクト)を分離・除去する.さらに,利用者への心的負担軽減のために我々が考案した新規なシナジェティックとカオスリカレントニューラルネットにより,多重連想想起と感性情報の学習予測機能を有する脳直結型アフェクティブインターフェースによるロボット制御技術を開発した.
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今後の研究の推進方策 |
今後の方針としては、1次的な生体信号である脳波と2次的な生体信号であるヘモダイナミズムの時間的なすれ(1~2秒程度)を考慮し、同時性と即応性が両立した、ブレインアフェクティブインターフェースを構築することが肝要である。また、装置の実用化に向けて、小型化・軽量化も進めていくことが不可欠である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度計画としては、複数の被験者への対応のため、システムの拡充を図る計画である。従って、研究費もそれらに関連する物品に充当する予定である。
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