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2011 年度 実施状況報告書

カテゴリ化過程における色情報の符号化・復号化に及ぼす記憶過程の影響

研究課題

研究課題/領域番号 23650112
研究機関金沢工業大学

研究代表者

吉澤 達也  金沢工業大学, バイオ・化学部, 教授 (90267724)

研究分担者 小島 治幸  金沢大学, 人間科学系, 教授 (40334742)
内川 惠二  東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (00158776)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードカテゴリ化 / 色情報 / 符号化・復号化 / 感覚記憶
研究概要

ある対象物に対して記憶している色が,同し対象物であるにもかかわらず,今見ている色とは異なっているという感覚がある.この色の感覚のシフトがどのような機序によるものかを明らかにすることが本研究の目的である.一般に,このような色の感覚のシフトは,我々が色をカテゴリ化することに起因するためと考えられているため,そのカテゴリ化の符号化過程において記憶がどのように影響するかを調べた. 本年度は感覚情報から記号情報への符号化過程における記憶の影響を調べた.具体的には,カテゴリ化の様子を心理物理学的に測定し,その際の脳活動を光トポグラフィを用いて計測した. 心理物理学実験では,424枚のOSA色表をD65標準白色光で照明したようにシミュレートした刺激をCRTモニタ上に提示し,それらの色刺激の色を基本11色名を用いて分類させたところ(カラーネーミング法),先行知見と同様のカテゴリ化の様子が見られた.これらの作業中における皮質表面の血中における酸化・還元ヘモグロビンの時間的変化を近赤外分光法により計測したところ,色刺激の色を短時間記憶させて色名を回答させたときの脳活動は,色刺激が表示されずに,色名を単純に回答させたときの脳活動よりも高くなることが明らかとなった.これは,単に色名を言語的に回答するという心理作業と比較して,カラーネーミングという心理的作業では,色刺激の色自体についてカテゴリ化するときの方が,より大きな脳活動を必要とし,色という感覚情報を色名という記号情報に変換する処理過程が存在していることを示している.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度は研究サブテーマ「感覚情報から記号情報,カテゴリ化への符号化過程における記憶情報の影響」について以下のような実験を行った.まず,色覚機序のカテゴリ化の様子と,フォーカル色(各自が持つ記憶された各カテゴリを代表する色)を心理物理学実験でしらべ,そのときの脳活動を光トポグラフィを用いて脳機能画像解析を行った.大半の実験は実行し,現在,結果の解析中である.

今後の研究の推進方策

共同研究者とともに,本研究2つめのテーマである「記憶情報(フォーカル色)に基づいた心的演算による復号化過程の様子」について心理物理学実験と脳機能画像解析を行う.それぞれの実験は2人の共同研究者と行い,結果の解析,および検討は3人全員で行う.

次年度の研究費の使用計画

平成23年度は641,255円の繰越金が発生した.これは研究成果の発表を日本国内で1回だけ行ったため,計画より,経費を必要としなかったことによる.解析結果の一部残りについては,次年度発表する.次年度は,最終年度のため,2つめの実験に対する被験者謝金と成果報告のための学会発表に関する経費や論文投稿料,別刷代などを主な使途とする.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 2色覚者と3色覚者のカラーネーミング時の脳活動2011

    • 著者名/発表者名
      西田浩聡,福田一帆,内川恵二,吉澤達也,小島治幸
    • 学会等名
      映像情報メディア学会
    • 発表場所
      那覇市,沖縄産業支援センター
    • 年月日
      2011年12月9日

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公開日: 2013-07-10  

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