「画像取得からデータ検索までのシーケンスの確立」本研究の核となるのが、データをアーカイブし、必要なデータをプログラムを介して半自動で抽出するための規格を確立することである。本研究で開発したシステムは、生データをデータベースシステムに登録後、一連の画像データの情報を記した決められたフォーマットのテキストファイルの内容に従って画像処理を施し、半自動で解析することが可能である。これを行うためには、プログラムが理解しやすいよう、あるルールに則った画像データの取得が重要である。本研究ではまず画像処理に必要な情報と画像データの取得シーケンスを確立するため、光源の位置、撮影回数などをパラメータとし、画像処理の精度を調べた。その結果、必要な精度を得るために十分なパラメータを決定することが出来た。 「画像処理シーケンスの確立」画像データの取得後、画像処理を半自動で行うためのプログラムの作成を行った。ここで目的としたのは、画像処理シーケンスは前項のルーチンで得られた画像データを処理した後、さらに詳細なデータを抽出するためのシーケンスである。しかし、画像処理のルーチンはphotometric stereo等先行研究が数多くあるが、石像遺物のような風化の激しい表面の文字情報を画一的なルーチンで取得するには十分ではなかった。これは今後の新しい課題となる。 「データベースの開発」本研究で開発したシステムは画像データを保存し、閲覧するだけでなく、位置情報や素材、建立者などをxmlベースのテキストデータとして保存し、データベースとして検索・抽出をすることが出来る。このテキストデータの項目内容とデータベースの構造を、石像遺物に対して最適化した。また、このデータベースの階層構造をプラグインを通してコントロールすることが出来るようにすることで、さまざまな研究にも柔軟に対応出来るようになった。
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