研究課題/領域番号 |
23650141
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
脇坂 崇平 独立行政法人理化学研究所, 適応知性研究チーム, 研究員 (40513445)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 認知実験 / 仮想現実 / 代替現実 |
研究概要 |
「研究計画」上の項目にそって記載する。[1 代替現実プラットフォームの開発・改良] 抜本的な改良を行った。具体的には大幅な画質向上、解像度向上(640x480 -> 1280x720)、視野角増大(対角視野角30度->45度)、遮音性の増加等を実現した。また、今年度の実験に必要となる視線計測装置の組み込みも行なっており、これについては現在も継続中である。これらの作業は、ヒューマンインターフェースを専門とする東京大学暦本研究室、慶応大学KMD稲見・東京大学舘研究室との共同にて実施している。[2 心理実験] 様々な実験用刺激を作成し、申請書に記載したような心理状態、すなわちリアリティに関する作話、デジャヴ感覚等の実現を試みた。未だ予備的実験の段階だが、特に後者のデジャヴ感覚生成についてはある程度実現されることが確認できた。結果は、国際意識学会(京都、2011)、およびSociety for Neuroscience年会(ワシントンDC、USA,2011)等で随時発表した。特に国際意識学会では好評を得て、複数の外部研究機関から共同研究の申し出を受けている状況である。[3 体験型アミューズメントとしての展開] 外部団体(エピファニーワークス、グラインダーマン)とのコラボレーションを開始した。共同作成した体験コンテンツについては、随時デモンストレーションを行なっている(JST未来館(非公開)等)。その結果を受け、2012年夏には未来館にて公開イベントを実施することが決定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
装置の改良については、上述のように大幅な進展があった。ただしそちらに多くのリソースを割いたため、提案した認知実験の進捗についてはやや遅れ気味である。体験型アミューズメントとしての展開については、当初予定していたよりも早くすすんでいる。2012年度夏にはJST科学未来館でのデモ展示が内定している。これは、未来館、理研との共催イベントとなる予定である。以上、全体としては、おおむね順調にすすんでいると評価している。
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今後の研究の推進方策 |
1 装置改良については、ハードウェアからソフトウェアへと重点を移す。バグ修正、新しいユーザーインターフェースの作成を行う。これは、一部外部開発業者に委託するか、もしくは研究支援パートタイマーを雇用するかのいずれかにて対応する。2 認知実験の予備的段階を終了させ、本実験へと移行する。本実験では、予備実験の結果を踏まえ、作話、デジャブ感覚が生じている際のスキンコンダクタンス、心拍、行動、視線を記録し、先行研究との比較を行う。3 パフォーマンスアートとしての展開をすすめる。2012年度夏の未来館展示の他、8月後半にはオーストリアにて開催されるアルス・エレクトロニカというヒューマンインターフェースの世界最大級のイベントがあり、そこでのデモ展示を計画している。これらのプロジェクトには、今後サウンドアーティストや照明の専門家などのコラボレーターが加わる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
ハードウェア開発については、ある程度完了したため、今年度はソフトウェア開発、および被験者への謝金、実験用刺激作成といった人件費が主な支出となる予定である。ソフトウェア開発に20万円、被験者は30人~40人ほどを想定しているため、謝金で30万円ほどの支出を見込んでいる。
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