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2011 年度 実施状況報告書

フィールド測定による歩行識別のための統計モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 23650146
研究機関中央大学

研究代表者

鎌倉 稔成  中央大学, 理工学部, 教授 (40150031)

研究分担者 小西 貞則  中央大学, 理工学部, 教授 (40090550)
渡邉 則生  中央大学, 理工学部, 教授 (10182940)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード統計計算 / コンピュータ支援統計 / 歩行 / 歩容解析
研究概要

本年度は,歩行の速度一定のモデルに基づいて,映像の拡大成分のパラメータを推定する問題をフィールドデータとモーションキャプチャシステムで比較することを行うと同時に,速度一定の仮定を緩和するためのモデリングに対しての考察を行った.我々の研究では,速度一定の仮定のもとには,歩行動作の運動パラメータは2つのパラメータで表現できることを示し,このパラメータの効率的推定法について論じてきた.本研究課題では,こうしたフィールドデータのレジストレーションパラメータの推定が,研究室レベルの撮影環境下でのモーションキャプチャシステムを活用した推定法と同等の性能を持つことを確認した.速度一定という条件の緩和のためには,フレームごとに速度変動のパラメータを導入し,フレームパラメータの単調制約条件のもとでの最適化問題として定式化を行い,非線形最適化問題を解くことによって,推定問題の解が得られるようになった.ベースとしてのモデルは速度一定の2パラメータのモデルであり,これを拡張してのものである. 拡張されたモデルの検証はモーションキャプチャシステムによる歩行計測のみならず,加速度センサーを利用しても行い,同様な結果が得られた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の研究成果は,速度変動を考慮した歩行のレジストレーションパラメータの推定を中心として内容で,日本計算機統計学会誌に公表予定である.また,各種センサを用いた歩行データ解析については,日韓の国際会議で公表した.モデルに含まれるパラメータの数が増えるにつれて,解の安定性は減少することと,単調性を仮定した速度変動パラメータの推定については,効率的最適化による検討課題が残る.

今後の研究の推進方策

次年度は人体骨格モデルについても検討し,関節構造をもモデリングし,より精緻な歩行モデルとしたい.これまでの代表者らの研究では,加速度センサを利用し,関節変位を推定するモデルを提案しており,肩関節の自由度である前後方向,側方取水平方向に腕を動かす腕振り動作パラメータの推定に成功している.これらとダイナミズムを併用するモデルを構築していく予定である.また,モーションキャプチャシステムにおいても関節モデルが採用されており,この比較においても重用なモデルと考えている.また,関節ごとに自由度のパラメータを導入することは困難であり,いかにモデルパラメータを少なくして,モデルのパラメータフィッテイングを良くするかも検討課題である.一般にモデルに含まれるパラメータの数が増えれば,解の安定性は減少するので,尤度関数を導入する際に,フィッシャー情報量の意味でパラメータの直交性を考慮した,モデル選択が必要であると考えている.

次年度の研究費の使用計画

研究費の使用計画として次の2点を考えている.(1)データ取りのための謝金(2)モデル構築のための参考文献(3)デジタルデータ分析用ノートパソコンおよびブルーレイ等のメディア(4)歩容認証と機械学習という観点から国際会議(サンフランシスコ)での成果発表

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Statistical gait analysis based on the microwave Doppler sensor data2011

    • 著者名/発表者名
      Keisuke Fukumoto, Kousuke Okusa, and Toshinari Kamakura
    • 雑誌名

      Proceedings of Joint Meeting of the Korea-Japan Conference of Computational Statistics and the 25th Symposium of Japanese Society of Computational Statistics

      巻: 1巻 ページ: 57-60

  • [雑誌論文] Feature selection for conditional random field based on the multivariate time series data with application to the activity recognition2011

    • 著者名/発表者名
      Tomoo Tsujimura, Kosuke Okusa, and Toshinari Kamakura
    • 雑誌名

      Proceedings of Joint Meeting of the Korea-Japan Conference of Computational Statistics and the 25th Symposium of Japanese Society of Computational Statistics

      巻: 1巻 ページ: 107-110

  • [雑誌論文] 動画像に基づく歩行運動の特徴量の統計的比較2011

    • 著者名/発表者名
      大草孝介,鎌倉稔成,村上秀俊
    • 雑誌名

      計算機統計学

      巻: 22 ページ: 97-111

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 小標本かつ応答変数発現確率が高い場合のロジスティック回帰モデルにおける回帰パラメータの検定法2011

    • 著者名/発表者名
      大倉征幸, 鎌倉稔成
    • 雑誌名

      応用統計学

      巻: 40 ページ: 41-51

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 移動体の大きさに関するレジストレーションと動作パラメータ・移動速度変動の推定 -歩容解析への応用-2011

    • 著者名/発表者名
      大草孝介,鎌倉稔成
    • 雑誌名

      日本計算機統計学会第25回大会論文集

      巻: 1 ページ: 121-124

  • [雑誌論文] Statistical heartbeat pace estimation based on the microwave Doppler sensor data2011

    • 著者名/発表者名
      Shuei Inui, Kosuke Okusa, and Toshinari Kamakura
    • 雑誌名

      Proceedings of Joint Meeting of the Korea-Japan Conference of Computational Statistics and the 25th Symposium of Japanese Society of Computational Statistics

      巻: 1 ページ: 43-48

  • [学会発表] 小型センサを用いた腕降り動作時における関節変位推定法に関する研究,-動作解析・行動認識への応用2012

    • 著者名/発表者名
      澤井庸平,鎌倉稔成
    • 学会等名
      統計数理研究所,西東京統計研究会
    • 発表場所
      統計数理研究所
    • 年月日
      20123月2日
  • [学会発表] イクロ波ドップラーセンサを用いた歩容解析に関する統計的研究2012

    • 著者名/発表者名
      大草孝介,福本啓祐,鎌倉稔成
    • 学会等名
      統計数理研究所,西東京統計研究会
    • 発表場所
      統計数理研究所
    • 年月日
      20123月2日
  • [学会発表] マイクロ波ドップラーセンサを用いた非接触型心拍推定に関する統計的研究2012

    • 著者名/発表者名
      乾秀平,大草孝介,鎌倉稔成
    • 学会等名
      統計数理研究所,西東京統計研究会
    • 発表場所
      統計数理研究所
    • 年月日
      20123月2日
  • [学会発表] 正準相関分析における次側値対応法の提案と情報量基準による検証2012

    • 著者名/発表者名
      小椋透,塚田真一,鎌倉稔成
    • 学会等名
      統計数理研究所,西東京統計研究会
    • 発表場所
      統計数理研究所
    • 年月日
      20123月2日
  • [学会発表] 工程の安定性評価のための変化点の推定2012

    • 著者名/発表者名
      清水康晴,鎌倉稔成
    • 学会等名
      統計数理研究所,西東京統計研究会
    • 発表場所
      統計数理研究所
    • 年月日
      20123月2日
  • [学会発表] 側検定を用いたNon-overlapping Template Matching Testの改善法について2011

    • 著者名/発表者名
      竹田裕一,藤井光昭,鎌倉稔成,渡邉則生
    • 学会等名
      統計関連学会連合
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2011年9月5日
  • [学会発表] ロジットモデルにおける回帰係数の小標本推測問題2011

    • 著者名/発表者名
      鎌倉稔成, 大倉征幸
    • 学会等名
      統計関連学会連合
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2011-09-05

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公開日: 2013-07-10  

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