研究課題
本年度は正面から撮影した歩行の動画像を用い,統計的なスケールの変化を伴う位置合わせを行うと同時に,歩行者の腕の振りやスピードの変化をも考慮した歩行分析の統計的方法を確立した.この方法のパフォーマンスを例証するために,青年と老人のビデオ歩行データにもとづき,前もって判定しておいた異常歩行と正常歩行(正解データ)と提案した統計モデルによって推定した歩行パラメータをK-NN分類したところ,高いパフォーマンスが得られることが確かめられた.Collins et al. (2009)は歩行運動の重要なパラメータとして腕の振りを言及している.我々は,このパラメータの他にさらに,脚の振りのパラメータと歩行のスピードの変化も取り入れたモデルとして,これらのパラメータをビデオ映像から得られるフレーム画像の統計処理と非線形最小2乗法によってそのパラメータ推定に成功している.AIC基準によるモデル選択でも,ベースモデルに腕の振りのパラメータと脚の振りのパラメータを導入した方が良いモデルとなっていることが分かった.老人の歩行データでは,個々に推定された歩行のパラメータのうち,腕の振りや脚の振りの大きさに影響を与える横幅,縦幅のパラメータとスピードのパラメータの推定値が,正常歩行と異常歩行を精度高く分類できることがわかった.これらの結果はOkusa and Kamakura (2013)で発表している.今後の課題として,正面歩行だけでなく,任意の角度から得られた歩行映像データの分析ができるモデリングが必要である.今回の研究で得られた歩行のモデリングにおける推定パラメータを利用した歩行の分類は,歩容認証にも十分役立つものと考えている.
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