研究課題
幼若ラット(生後7日)の上頸交感神経節細胞を単離し、神経成長因子存在下で数週間培養して神経細胞間にシナプスを形成し、発育途上(培養3週)と 成熟シナプス(培養6週)を形成した神経のミトコンドリアをCFP可視化、synaptophysinをRFP可視化、CASTをGFP可視化して、三つの蛋白の同時ライブイメージングを試みた。様々な神経刺激パタ-ンに応じた蛍光蛋白の移動を観察して、ひとつの神経軸索でのミトコンドリア・シナプス小胞蛋白・アクティブゾーン蛋白の軸索移動速度、シナプスへの蓄積を比較した。さらに、ミトコンドリアを軸索の適所に配置する蛋白群のうち、モーター分子KIF5B のアダプター蛋白であるsyntabulin、モーター分子dyneinの アダプター蛋白であるsyntaphilin のsiRNAによる機能阻害を試みた。これらの蛋白のノックダウンは、軸索内ミトコンドリアの分布に異常をきたした。syntabulinのノックダウンは、軸索でのミトコンドリアが30%に減少し、細胞体付近に留まっていた。一方、syntaphilin のノックダウンは、ミトコンドリアの軸索内移動が増した。そこで、syntabulinをノックダウンした神経細胞で、CFP可視化-ミトコンドリア、RFP可視化-synaptophysin、GFP可視化-CASTを観察して、ひとつの神経軸索でのミトコンドリア・シナプス小胞蛋白・アクティブゾーン蛋白の軸索移動速度、シナプスへの蓄積の違いを解析した。この研究は、実施期間終了後も継続して実施検討している。研究実施期間中に計画していたCaged-Calcium、あるいはCaged-ATPを使って、モーター分子アダプター蛋白機能阻害による効果のレスキューを試みる実験は24年度内に実施できなかったが、今後も研究を継続して解析する。
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