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2011 年度 実施状況報告書

リズム中枢特異的発現系の構築

研究課題

研究課題/領域番号 23650177
研究機関広島大学

研究代表者

内匠 透  広島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00222092)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード遺伝子 / 細胞・組織 / 行動学 / 神経科学
研究概要

24時間周期の概日リズムは、ほとんどすべての生物に備わる基本的生命現象で、遺伝子と行動(脳機能)の関係を明らかにする上で非常に優れた系である。リズムの中枢は脳内視交叉上核(SCN)である事がわかっているが、SCNに特異的に発現する遺伝子・プロモーターは知られておらず、理想的な発生工学的手法は利用できない現況である。本研究は、SCNに強く発現する遺伝子群のプロモーターを複数利用し、Cre-loxP及びTet-on-off系を組み合わせる事により、あらたなリズム中枢(SCN)特異的遺伝子発現系を構築し、さまざまな遺伝子改変マウスの開発の基盤を作ろうとするものである。 これまでのところ、ゲノム計画や網羅的研究の成果にもかかわらず、単一のプロモーターによる制御では、SCN部位特異的発現制御は成功に至っていない。その中で、Scg2プロモーターを用いたTet-on-off系のマウスとして比較的SCNに強く発現する系の報告がある。しかし、実際にはScg2プロモーターは、SCN特異的ではない。そこで、複数のプロモーターを組み合わせることによりSCN特異的発現制御法をあらたに開発する。 (1)第一の系として、SCNに比較的強く発現することがわかっている遺伝子(Per2, Gad67)のプロモーター下にCreを制御するラインのためのベクター構築を行った(mouse 1)。さらに、あらたなSCNに強く発現することがわかっている遺伝子としてAVPのCreラインを入手した。 (2)第二の系として、scg2プロモーター下にflox-STOP-(r)tTAを発現するラインのためのベクター構築を行った(mouse 2)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通り、第一マウスとして、SCNに強く発現することがわかっている遺伝子のプロモーターCreマウス及び、第二マウスとして、scg2プロモーター下にflox-STOP-(r)tTAを発現するラインのそれぞれのベクター構築を終えた。また、これらの発現調節を培養細胞内で確認した。現在、第二マウスを作製中である。

今後の研究の推進方策

第三マウスとして、神経細胞の神経伝達を可逆的に阻止する方法のためのTeNTマウスは既に入手済みである。上記、第一マウス及び第二マウスと、TeNTを基本とした第三マウスを交配する事により、SCN部位特異的に神経伝達を可逆的に制御できるマウスの作製を目指し、SCNでの神経伝達を阻害した際に、リズム発振、出力がどうなるかを検討する。

次年度の研究費の使用計画

第一マウス及び第三マウスはすでにマウスの状態で維持している。平成23年度中の所属機関内のマウススペースの問題、さらにマウス自体の繁殖不良の問題等で、これらの系統のマウスの繁殖維持を一時的に削減した。このため当初使用予定としていたマウス繁殖維持費などが計画より少額となった。平成23年度の研究費を一部次年度に繰り越し次年度の研究費とあわせ使用予定とする。第二マウスの数が得られ次第、平成24年度にはこれらのマウスの交配を行うことにより研究を進める予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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