研究課題
既存の治療薬は、標的分子の分子機能を阻害することで、その効果を示している例が多い。そのため、まず、インビボで、標的候補分子の機能阻害が病態改善に有効かどうかを判断する必要が多いと考えられる。線状型ノックダウン配列(shRNA)をもつ遺伝子断片をマイクロRNA(miRNA)骨格のなかにいれ、それを対象組織特異的に転写させるというものである。標的に対するshRNA 配列を、miRNA 配列のなかのノックダウン配列領域と置換することで、全体としてのRNAの配列を長くし、それらを一般的な組織特異的プロモーターで制御できるようにしたものである。これを通常のトランスジェニックマウス作製と同様に、マウス受精卵にインジェクションして、目的とするマウスを作成する。そして作製された遺伝子改変マウスをCMT病態モデルマウスと交配し、CMT病態が改善されれば、その標的分子の評価ができるはずである。そこで、治療標的候補分子と考えられた交換因子であるDock7および3型ニューレグリン受容体のノックダウンマウスを作成した。ニューレグリン受容体は増殖因子ニューレグリンの受容体であるが、それは3型に結合し2型には結合しないため、3型をノックダウンすることでニューレグリン受容体活性のほとんどを抑制できる。2型は3型からのシグナルを受け活性化される受容体である。これらノックダウンマウスとCMT病態モデルマウスと交配した結果、CMT病態モデルマウスの病態改善が組織学的に明らかになった。今後、さらに運動機能等の実際の神経機能も調べ、インビボレベルでこれらの治療標的候補分子が有効か否かを評価する予定である。
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