研究課題
平成25年度は,歩行制御における小脳各領域の機能局在の解明を試みた.小脳健常郡,ならびに,小脳内側部除去,両側外側部除去,全領域除去の3グル―プの小脳損傷ラットを作成し,①自発的歩行,②環境変化に対応する歩行(トレッドミル速度変化への追従・上り坂-下り坂),③姿勢維持機能(動揺・筋緊張),④後肢の関節運動,などの項目を動作解析と筋電図解析によって評価した.小脳全領域除去群では,自発的歩行動作は減少し,環境変化に対応する歩行動作は極めて稚拙,動揺性姿勢と筋緊張の低下,そして,左右後肢の強調的関節運動は極めて損なわれた.この小脳性歩行失調の特徴は,小脳中央部領域除去群においてもほぼ同様に認められた.一方,外側領域除去群では,平地における機械的な歩行動作は,健常群ラットと大きな差が認められなかった.しかし,トレッドミルの速度変化や上り坂・下り坂などの環境変化への対応機能の低下や,自発歩行の減少などが観察された.これらの成績は,歩行行動において小脳には機能局在が存在することを示している.特に,姿勢調節や機械的歩行動作の調節には小脳中央部が,そして,外側領域は環境変化に対応するという高次機能に関与する可能性が明らかとなった.同様の成績は脊髄小脳変性症における運動機能を理解する上において重要な知見を提供するものである.これらの小脳性歩行失調が筋緊張の低下によってもたらされている可能性があるので,次いで,ラット脳幹の筋緊張促通野に対する微小電気刺激によって上記運動障害がどの程度回復するのかを検討することとした.ラットの橋~延髄網様体には,ネコと同様の筋緊張抑制野と促通野が存在することを証明できたが,小脳損傷ラットに対する脳幹筋緊張促通野への刺激によって明瞭な歩行運動の改善が認められていない.実験例数がまだ少ないため,今後とも本課題研究を継続する予定である.
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