2枚のイメージングプレート(IP)を用いて、マウスなどの小動物を対象とした新しいイメージング法を開発し、in vivoイメージングによるRI標識薬剤の2次元分布計測への応用を目指す。昨年度までの研究により、イメージング画像データから計算により求めた線源とIPの距離が、放射線輸送コードを用いて求めた理論値と一致し、本研究課題で提案した新しいイメージング方が実現可能であることを示した。H25年度は、IPに記録された情報から、RI標識化合物の小動物体内での分布画像を構築していくために不可欠となる、2枚のIPそれぞれに保存された放射線の2次元分布情報について、位置情報を保持したままで必要な領域の情報のみを切り出し、データを軽量化した上でPC上の表計算ソフトウェアで解析するための処理法について検討を進めた。計算コードを用いた検討から、位置情報の精度を保つために、IPからの読み出しを100μm角の画素として行い、各画素の値を表計算ソフトウェア上でマッピングし、最も強度の高い点を見出す方法を試みた。しかし、強度が最も高い画素を中心とした場合、必ずしもその画素が強度の重心になっているとは限らないことが分かった。そこで、データ読み出し後に、任意の領域について、任意の画素サイズを選択し、さらに任意の画素を集約できる解析用ソフトウェアを開発した。 これまでの研究で、本課題で提案した新しいイメージング法の基本原理である、2枚のIPを重ねて画像を取得することにより、線源までの距離と空間分布が得られることを明らかにできたが、計測法としての完成には至っていない。今後、さらなる検討を行い、新しいin vivoイメージング法としての確立を図りたい。
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