研究課題/領域番号 |
23650254
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
土肥 健純 東京電機大学, 工学部, 教授 (40130299)
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研究分担者 |
太田 裕治 お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 教授 (50203807)
正宗 賢 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (00280933)
桑名 健太 東京電機大学, 工学部, 助教 (00593055)
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キーワード | 磁気刺激 / 交流磁場 |
研究概要 |
本研究では、未だほとんど研究されていない低周波磁気刺激技術の福祉機器分野への応用を探ることを目的とし、磁気刺激により最も効果が期待される ①高齢者の排便促進、②難聴者の聴覚支援のための福祉機器開発をめざし研究を行っている。磁気刺激は、体外から磁場を印加することによって生じる渦電流により神経が刺激されると考えられているが、渦電流が神経を刺激する原理については詳細が明らかにされていない。 本年度は、排便促進のための仙骨神経および聴覚支援のための聴覚神経の2つの刺激対象において,共通に検討すべき磁場の印加方法についての検討を行った。特に、印加対象とする神経が通る穴のサイズ、神経が通る穴に対する磁場の角度について検討した。モデルとして、厚さ5 mmのアクリル板にΦ1mm、Φ5mm、Φ10mmの穴をあけたものを製作し、モデルに対する磁場の印加角度を0°から90°まで15 °刻みで変化させたときにモデルの穴両端に生じる渦電流の電流密度の違いを計測した。その結果、Φ1mmのアクリル板での測定結果は、板無しの測定結果の26 倍の電流密度が計測された。また、磁場に対する角度の実験では角度を傾けていくにつれモデルの穴両端の電流密度は上昇していくことがわかり、電流密度が1 番大きくなった90°の電流密度は1番小さかった0°の電流密度の2.3 倍であった。よって効果的な磁気刺激のためには,神経が収まっている穴の軸に対してできる限り90°に近い角度で磁場を印加することが望ましいことが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度の結果から磁気刺激の評価方法を変更したことに起因し、行うべき基礎評価が新たに生じたため。ただし、当初想定していなかった新たな知見は得られている。
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今後の研究の推進方策 |
計画からやや遅れているが、当初想定していなかった新たな知見に基づき、動物・人への応用へ向け、装置設計を行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
新たに発生した基礎評価や現在課題となっている渦電流密度が小さいという問題解決のための消耗品として、磁性体やコイルの材料となる線材を購入予定である。
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