血清、市販の標品を含む精製ヒト血清アルブミン(HSA)内に特異的または非特異的に結合している分子を評価するために、我々は小分子の検出を試みた。その結果、コレステロールとビリルビンに由来するシグナルが検出された。ビリルビンを除くためにはエタノールを用いた精製方法が必要であった。精製したHSAを培地に添加した際マウス受精卵培養時には、マウス受精卵は胚盤胞に発育した。また、蛍光標識したウシ血清アルブミンを添加した培養液で培養した際には、このアルブミンがマウス胚盤胞内で観察された。このことから、受精卵は発育時にHSAを取り込むと考えられ、HSAに結合分子があってもマウス受精卵は発育した。コレステロールやビリルビンといった結合分子を受精卵培養に影響を与える試薬であるエタノールや塩を添加せずに取り除くことは困難であるために、患者本人の血清からHSAを精製して受精卵培養に積極的に使用することは好適でないと判断した。
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