研究概要 |
本研究では,血栓現象を血小板の活性化,活性化された血小板の輸送,血小板の付着と高分子化の3ステップと考え,このうち,特に,血小板の活性化におけるせん断速度依存性を実験によって得ることを目的としている.本研究課題においては (1)血小板に作用するせん断応力(一定せん断応力)による血小板変形挙動と活性化機能変化について,100-200(1/s)までの平均せん断速度を与えた結果,血栓形成が壁面より認められた.また,その成長速度についても,せん断速度が高いほど血栓形成速度(血栓成長の無次元時間変化)が上昇するという傾向にあった (2)一方,機能変化の発光ならびに蛍光観察については,せん断速度が高い流れ場でのイクオリン発光強度がかなり低く,せん断速度を変化させたときの結果が,SIN比で有意差が得られないほど微弱であった.
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