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2011 年度 実施状況報告書

早期糖尿病における糸球体濾過障害の分子生物学的解明

研究課題

研究課題/領域番号 23650278
研究機関川崎医科大学

研究代表者

仲本 博  川崎医科大学, 医学部, 助教 (10299183)

研究分担者 矢田 豊隆  川崎医科大学, 医学部, 講師 (00210279)
小笠原 康夫  川崎医科大学, 医学部, 准教授 (10152365)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードスリットダイアフラム / 濾過
研究概要

われわれは此れまでに、共焦点レーザー顕微鏡を用いて糸球体濾過現象を可視化し、早期糖尿病において存在すると言われる糸球体過濾過現象を定量的に評価した。その結果早期糖尿病では、過剰濾過が存在するだけでなく、アルブミン程度の分子量をもつ物質が糸球体において漏出していることが判明した。本研究の目的は、このような早期糖尿病において認められた現象が、構造的な要因によることを定量的に検討することである。 試料には、Wistarラットを用いた。糖尿病は、STZを投与することで誘発し、罹病期間1ヶ月と3ヶ月の糖尿病群を作成した。摘出した腎は蛍光抗体法を用いて、濾過に直接関与するネフリンやポドシンなるスリット膜構成タンパクを染色し、正常群と糖尿病群で染色状態を比較した。ZO-1の染色をも試みたが個体差が大きく、実用性に乏しかった。 正常群では、ネフリンとポドシンは、一様に染色され、糸球体の毛細管周辺にその存在が認められた。ネフリン単独の分布、ポドシン単独の分布を2値化し、その論理積を論理和で割った面積一致率を指標として検討した。糖尿病が進行するにつれて、ネフリンとポドシンの分布は、乖離し始めその程度は糖尿病の罹病期間に応じて進行することが判明した。 本研究においてわれわれは、早期糖尿病ラットにおける蛋白漏出に関わる変化を腎糸球体のスリット膜で発見し、過剰濾過現象の構造変化を定量的に解析することが出来た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予想通りの結果が出つつあるから。

今後の研究の推進方策

このまま、研究を続行し、纏め上げ、論文にしたいと考える。

次年度の研究費の使用計画

研究費については、消耗品と学会発表のための出張費と研究補助者の謝金に使用する予定である。前年度の残額およそ16万円は、研究補助者の謝金を見込んでいたが、募集をかけても岡山の地では適当な人材が得られなかったことによる。次年度で補助員が得られない時は、早い段階で見切りをつけ代わりに高価な薬剤の購入に当てることにしたい。現時点での消耗品は、ラットと薬品でおよそ20万円程度である。出張旅費は、海外も含めておよそ50万円を見込んでいる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] Structural Change? On Glomerular Filtration of Early Diabetic Rats2012

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Nakamoto
    • 学会等名
      第76回日本循環器学会学術集会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2012 – 316
  • [学会発表] Progressive dissociation of nephrin and podocin, glomerular slit membrane proteins, in distribution at the early stage of diabetes2012

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Nakamoto
    • 学会等名
      第37回日本微小循環学会
    • 発表場所
      盛岡
    • 年月日
      2012 – 0317
  • [学会発表] Glomerular Hyperfiltration and Slit Membrane Proteins2011

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Nakamoto
    • 学会等名
      第50回日本生体医工学会大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011 – 429
  • [学会発表] Glomerular Filtration at the Early Stage of Diabetes2011

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Nakamoto
    • 学会等名
      Experimental Biology 2011
    • 発表場所
      Washington, USA
    • 年月日
      2011 – 410

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公開日: 2013-07-10  

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