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2011 年度 実施状況報告書

バイオアクティブ・ナノチューブの挑戦的創製

研究課題

研究課題/領域番号 23650281
研究機関東北大学

研究代表者

井奥 洪二  東北大学, 環境科学研究科, 教授 (60212726)

研究分担者 上高原 理暢  東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (80362854)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードナノチューブ / 生体活性 / 水酸アパタイト / カルサイト
研究概要

バイオアクティブ・ナノチューブとして、水酸アパタイトからなるナノチューブの作製を試みた。今年度は、先行研究をもとにして、炭酸カルシウムの結晶相の一つであるカルサイトとリン酸水溶液を、温度とpHを制御した条件下で混合し、その後適切に温度を制御することによって、水酸アパタイトナノチューブの作製を試みた。当初、テンプレート法も合成法の候補として検討していたが、テンプレート法ではテンプレートの除去が必要となるために、直接水酸アパタイトナノチューブを得られる可能性のある本方法を用いることとした。 出発物質であるカルサイトの特性が生成物に与える影響を調べるために、一次粒子の粒子径が異なるカルサイトを用いて実験を行った。その結果、カルサイトの粒子径は、生成物の結晶相と形状に大きく影響し、粒子径が小さいほど生成物の結晶相がカルサイトから水酸アパタイトになりやすくなり、しかも、一次粒子の粒子径が1 μm以下の場合のみチューブ状と思われる粒子を得ることができた。チューブ状粒子の生成過程としては、板状の前駆体が生成し、それが折りたたまれているような様子が観察された。 これらの実験結果から、水酸アパタイトナノチューブ作製に関しての基礎的な知見を得ることができた。ただし、得られたチューブ状粒子は、結晶相においては水酸アパタイト単相ではなく、また、形状としてはチューブというには不完全であった。今後さらに研究を遂行し、より精巧な水酸アパタイトナノチューブの作製方法の確立を目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

水酸アパタイトナノチューブの作製の可能性、およびナノチューブの生成メカニズムの一端を明らかにすることができている。この方針のまま研究を進めれば、当初の目的を達成できると考えられる。

今後の研究の推進方策

現段階では、水酸アパタイトナノチューブの作製の可能性、および生成メカニズムの一端を明らかにすることができているので、この方針のまま研究を進め、薬剤担体としての可能性等についても検討したいと考えている。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額については、今年度は東日本大震災の影響で研究の開始が遅れたことと、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成24年度請求額とあわせて、次年度に計画している研究の遂行に使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Tubular hydroxyapatite formation through a hydrothermal process from α-tricalcium phosphate with anatase2012

    • 著者名/発表者名
      Masanobu Kamitakahara, Hiroko Takahashi, Koji Ioku
    • 雑誌名

      J. Mater. Sci.

      巻: 47 ページ: 4194-4199

    • 査読あり
  • [学会発表] 水熱条件下における水酸アパタイトのチューブ状粒子の生成2011

    • 著者名/発表者名
      上高原理暢,高橋尋子,井奥洪二
    • 学会等名
      日本セラミックス協会第24回秋季シンポジウム
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2011年9月7-9日

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公開日: 2013-07-10  

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