研究課題/領域番号 |
23650282
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
穴田 貴久 東北大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30398466)
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研究分担者 |
鈴木 治 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (60374948)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 再生医工学材料 / 骨再生 / ドラッグデリバリー |
研究概要 |
本研究の目的は、細胞-細胞間で行われている情報伝達システムを模倣したマテリアル-細胞間情報伝達を可能とする画期的なバイオ分子システムを構築し、新規骨再生治療法へと応用することである。具体的には、刺激応答性を有するナノ構造体(リポソーム)にリン酸カルシウム特異的結合部位を導入し、独自開発のリン酸カルシウム骨再生担体表面に組織化する。また、このリポソームに細胞接着ペプチドを修飾することで、骨形成を担う細胞を担体近傍に引き寄せる。担体から放出されるイオンを情報伝達物質として、担体→ナノ構造体→細胞への骨形成指令伝達システムを構築する。このシステムにより、これまでには困難であった自家骨移植法に匹敵する高い骨再生能を人工材料で達成する画期的骨再生治療法の確立を目指す。23年度は新規リン酸カルシウム結合性脂質の合成とリポソームの調製を行った。このリポソーム内に薬剤が取り込まれることを確認した。この成果はThe 3rd International Symposium on Surface and Interface of Biomaterialsにおいて発表した。また、新規骨再生担体材料の開発を行い、in vitroおよびin vivo実験を行って最適化を図った。新規骨再生担体リン酸オクタカルシウム(OCP)と高分子(ゼラチンまたはコラーゲン)複合体は細胞接着性に優れ、規格化骨欠損内にインプラントした場合、優れた骨再生能を示すことを見いだした。特にOCP/ゼラチン複合体は従来の骨置換材料に比べて高い再生能を示した。これらの骨再生担体に調製したリン酸カルシウム結合性リポソームが結合することを確かめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
震災の影響から計画からやや遅れているが、新規脂質の合成とリポソームの調製ができており、遅れを挽回するように進めている。
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今後の研究の推進方策 |
新規骨再生担体とリポソームの複合化を行い、細胞実験および動物実験による評価を行う予定としている。
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次年度の研究費の使用計画 |
主に合成試薬や生化学試薬、プラスチック消耗品などの物品費に充当する予定としている。
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