本研究では精製転写因子の細胞導入による piPS 細胞樹立の効率化を目指し、まずは蛋白質の細胞導入を簡便に調べることのできる培養細胞系の開発を行った。また、蛋白質の細胞導入とともに用いることでエンドソームから細胞質への物質移行を促進させる添加剤としてハチ毒パプチド変異体を検討した。変異ペプチドは設計通りの物理化学的、生理学的性質、則ち天然型メリチンより低毒性かつ溶血活性を有する、を示したが、想定した細胞外物質の細胞内移行の促進効果は見られなかった。このことは、ペプチドの添加のみでは内容物の効率的な細胞質移行には不十分であることを示唆している。
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